富士山

富士山(3776m)

富士山登山図

いつまでも「登らぬ馬鹿」ではいられないので、とうとう覚悟を決めて富士山に登りました。とは言え、写真や映像であの登山渋滞を見ると中々そこに身を置く気になれません。最も混雑する盆休みを避け、翌週平日のど真ん中、水曜日に行って来ました。マイカー規制の合間でもあるので丁度良いと考えたんです。

ところが、深夜に家を出て4時過ぎには五合目に着きましたが、既に駐車場は満車でした。係りの人に誘導されて次々にUターンさせられています。路駐するしかないのですが、それさえも延々と長い列を作っていました。結局、2.2kmも戻った標高2200m付近へ駐車する羽目になりました。


富士山の影

この登山口を選んだ主目的は周遊コースが作れる為ですが、4つ在る登山コースで最も標高の高い所から登り始める点も見逃せません。これではその大きな利点が失われてしまいます。

トボトボと車道を歩いていると日が差し始めました。西の空に富士山の影が浮かんでいます。何も無い大気中に影を落とすものなんですね。

五合目

5:46 再び五合目までやって来ました。2.2kmは遠過ぎです。一旦休憩とし、日焼け止めを塗りました。強烈な日差しが待っているのでこれは絶対必要です。長袖を着て来たので顔だけしか塗らなかったのですが、手の甲や首にも塗るべきでした。首にはタオルを巻いていましたが、その僅かな隙間が真っ赤に日焼けしてしまいましたから。

富士山

富士山を見上げると、剣ヶ峰の気象観測所が光を反射してました。思ったより近い印象を受けます。まあ、直線距離では3km程度のものでしょうから当然です。実際に登った者にしかその遠さは分かりません。

5:57 開始します。

六合目

6:10 六合目には直ぐに着きます。この区間を以って単純に残りを推測してはいけません。合目表示は単なる地名と考えた方が良いです。均等になってないですから。

新七合目

6:44 新七合目です。地形図では六号五勺となっていました。早朝の素晴らしい景色に目を奪われ、暫し休憩とします。

愛鷹山

愛鷹山の奥に見えるのは伊豆半島の山々でしょう。

宝永山

宝永山の向こうには江ノ島が見えました。海面が朝日を受けてキラキラ輝いています。

6:54 出発。

元祖七合目

7:25 元祖七合目に到着。新だの元祖だの分かり難いからやめて欲しい。混雑していたので通過し、少し離れた所で15分ほど休憩しました。

富士宮コース

富士館が見えて来ました。あそこが山頂です。もう、すぐそこと言う感じがします。

八合目

8:10 八合目に到着しました。海抜3250mと言う事は、残りの標高差は約500mです。斜度にもよりますが、私の場合通常のペースで1時間半位掛かる高さです。やっぱり見通しが良すぎて、近くに見えるのは錯覚ですね。

10分ちょっと休憩して出発。

宝永山

宝永山がもうあんなに見下ろす高さになりました。

それにしても、平日と言うのに何と登山者の多い事か。道幅の狭い所では行列になっていて、抜く事も出来ずスローペースに付き合わざるを得ません。気圧が低いと体内ガスが膨張して屁をこきたくなりますが、この山では人知れずするなんて出来そうも無いです。

九合目の鳥居

8:56 九合目も混雑して座れず、この鳥居の所で休みました。合目に対して或る規則性を発見。私のペースだと大体30〜35分毎に次の山荘が在る様です。普通なら短過ぎる間隔ですが、この標高だと息が切れるので丁度良いです。

さて、この岩場に寝そべり、太陽が眩しいので顔にタオルを当てて休んでいたのですが、うっかり眠ってしまいました。ろくすっぽ寝ていなかった事が原因でしょう。

富士宮ルート

熟睡ではなかったのですが、自分では10分か15分休んだつもりが、いつの間にか50分も経っていたんです。これには慌てました。

9:47 休憩を終え出発。

残雪

残雪が見られたのはここと火口内だけ。登山道には一切無しです。意外なほど少ない。昔、槍沢を下った時の雪渓が凄かったのを思い出しました。

九合五勺

10:11 九合五勺も混雑して座れず、少し先のブルドーザー道で10分強休憩。

浅間大社奥宮

10:48 山頂に着きました。鳥居の先が浅間大社奥宮です。

駒ヶ岳で昼食休憩にしました。駒ヶ岳はここからだと10mも無い様な小さな岩山です。

郵便局

日本最高所に在る郵便局。奥宮の左手です。

それにしても、山頂の気温は1桁と聞いて来たのですが、本当にそんな低いんでしょうか。確かに暑いとは言いませんが、長袖シャツ1枚で丁度良い気温です。体感では15℃位に感じました。念の為ライトダウンを持って行ったのですが、無駄な荷物になってしまいました。

剣ヶ峰

11:51 さて、そろそろお鉢めぐりに出発しましょうか。と、その前にトイレへ寄っておきます。写真の水溜り(これがコノシロ池?)辺りを左に入るとトイレです。金200円也。山頂には、ここと吉田口山頂の2箇所に有ります。ここまでの途上にも合目毎に有ったと思います。

馬の背

馬の背を登って行きます。お鉢めぐりのコース上では、ここが最大の難関です。

火口

さすがに大きな火口です。1周すると約3kmになります。

カーソルを写真に乗せて下さい。成就岳と朝日岳は逆になっていたりして、今までどちらが正しいのかはっきりしませんでした。昨年から正式にこの様に修正された様です。詳しい位置関係はこちらの「富士登山マップ」をどうぞ。

剣ヶ峰頂上

12:09 着きました。ここが日本最高峰富士山の剣ヶ峰頂上です。3775.63m…これは、あくまでも三角点の高さです。奥に在る電子基準点寄りの岩の方が僅かに高く、3776.24mが最高標高になります。

白山岳

お鉢めぐりを続けます。この辺から下を覗くと大沢崩れの始まる所が見えます。トリハダが立つほどの光景でした。

道は白山岳の内側へ急激に下って行きます。登り返しが辛いです。白山岳へは向こう側から折り返さないと登れません。しかも馬の背並みの登りです。そんな気力は残ってないので通過しました。

久須志岳

12:41 久須志岳は僅かに道を外れるだけなので寄ってみました。山頂方位盤がポツリと置かれているだけで、特に目ぼしい物は有りません。直ぐに退散しました。

お鉢めぐり

こちら側は特に雲が多い印象です。富士五湖を見下ろしたかったですが、厚い雲に阻まれました。

吉田・須走口山頂

12:45 吉田・須走側の山頂です。向こう(富士宮口山頂)より確実に賑わっています。半数以上が吉田口ルートで登って来ますからね。

成就岳

未だに朝日岳と紹介される事も多いですが、正しくは成就岳です。この硬貨を沢山差し込まれた鳥居は有名ですね。

銀明水

13:13 銀明水まで戻って来ました。出発点は直ぐ先です。ほぼ1周しました。伊豆岳、朝日岳は面倒なので寄ってません。

標柱

ここには変わった標柱が立ってます。高さが変ですね。関東大震災前の標高は3778mだったそうです。

御殿場ルート頂上

銀明館は改装中の様でした。今年はもう無理でしょうが、来年辺り再開されるのでは?

右に写っている岩山が駒ヶ岳です。富士宮ルートはその向こう側です。帰りはあちらを使わず、このまま鳥居を潜って御殿場ルートを下ります。

13:14 下山開始。

西伊豆

西伊豆が見えます。綺麗な景色です。


宝永山

宝永山に向かって下って行きます。八合目まで山小屋は在りません。


あんまり良い写真ではないですが、折角撮ったのでパノラマ写真を。


大砂走り

七合目(日の出館)を過ぎると登山道と下山道が分かれます。この下山道が大砂走りです。踵を砂に突き入れる感じで歩くと安定し、うっひょーっ!!てな感じにバカになる位スピードが出ます。はっきり言って楽しいです。しかし、スピードの出し過ぎは禁物。間違って砂の浅い所に足を着くと反動で撥ねられ、痛い目を見ます。

下り六合

14:41 下り六合には10分足らずで着いてしまいました。残念ですがここで大砂走りとはお別れです。宝永山に向かいます。

富士山

宝永山馬の背から振り返って。カッコイイ。最高のアングルです。山頂1番左の尖りが三島岳でしょう。次の尖りが駒ヶ岳で、その隣の窪みから下りて来ました。


宝永山頂

14:52 この日時計みたいな山頂方位盤の有る所が宝永山ですが、ずっと緩々と下っているので山頂と言う気がしません。馬の背の方が標高が高いです。誰も居なかったので我慢していたタバコに火を着け、休憩にしました。

火口の底

15:19 火口の底を通って反対側に登り返します。

六合目

15:36 六合目に到着しました。さすがに疲れを感じます。ラムネが冷えていたので1本いただき、暫し休憩。ここからは往路を逆に辿って五合目に向かいます。

五合目

15:59 五合目に着きました。すっかり日が西に傾いています。寛ぎたいところですが、車までまだ2.2kmも歩かなくてはなりません。トイレだけ済ませて先へ進みました。車へは約30分掛かってやっと到着しました。

戻る