2010年12月初旬、破風山へ行って来ました。埼玉県には破風山が2つ在り、こちらは秩父市と皆野町にまたがる標高626.5mの山で、「はっぷさん」と読みます。もう一方は山梨県との県境に在り、標高は2000mを超え初心者を受け付けません。読みは破不山と書く事もある通り、「はふざん」とか「はふうさん」と読みます。
コースは何通りか有る様ですが、折角の機会だから秩父華厳の滝にも寄ってみたく思い、コースに組み込み易く、且つ駐車に都合の良い「ふれあいの道コース」を選びました。満願の湯を左に入った高台に、登山者用の無料駐車場が在ります。
7:51 出発。風戸(ふっと)集落までは舗装路を行きます。尚、駐車場には立派なトイレが有りましたが、何故か使用禁止になっていて、隣に電話ボックス位の仮設トイレが用意されていました。
8:10 風戸集落の、1番奥と思われる家の手前で登山道が分岐します。ここが一応登山口です。
低木の入り混じった雑多な雑木林を抜け、左から山靴の道コースを合わせると、落ち葉の積もった山らしい道に変わりました。
8:35 猿岩です。なるほど、左を向いた猿に見えますね。
猿岩を過ぎると広い斜面を登る様になり、大きな東屋を右に曲がれば山頂はすぐです。
8:45 山頂に到着。低い山ですが、南側が刈り払われて秩父盆地が一望出来ます。山名板には「はっふざん」と読み仮名が振ってありますね。ガイドブックでは「はっぷさん」となっていますが、どちらが正しいんでしょう?
左の釜伏山から三ツドッケ辺りまで見えますが、少し左に寄れば三峰、和名倉まで見渡せます。
9:04 に山頂を出発し、札立峠に着いたのは 9:12 です。峠は十字路になっていて、直進が大前山、右に行くと水潜寺、左は地図に無い古い道でどこに向かうのか分かりません。更に2〜3m進むと頼母沢からの道が来ているので、実際は五叉路みたいなもんです。
直進して大前山に向かいます。
9:22 少し前で富士浅間大神の石碑を過ぎると、如金(にょっきん)さまが見えてきます。この辺りに如金峰(にょっきんぽう)と呼ばれるピークが在る筈なんですが、分かりませんでした。ここの事かな?
ここはスッパリと切れ落ちた垂直の断崖で、落下を防ぐ柵も無いからちょっと怖いです。
9:33 なおも岩場・鎖場を登って行くと、本日の最高地点、大前山(653m)です。東西に長い山頂はピークが分かり難く、標識が無ければ通り過ぎてしまいそうです。
西の外れの下り始めた所に首の無い石像が有り、紙垂(しで)の付いた竹が置かれて何かの神事を行なった様な形跡が有りました。そこは1坪位の平地になっていて、両神山が正面に見えますから祀っているのは両神山でしょうか。
9:50 大前山を下り、登り返した所が天狗山です。途中の鞍部では大前集落へ向かう道が分岐していました。
天狗山を越えた所にも大前集落への道が分岐していて、その道を使って下りるつもりですが、その前に寄りたい所が有ります。この先に三角点の印が表示された629.2m峰が在るんです。天狗山までは皆さんいらっしゃる様で、いくらでも記事が見つかるのですが、629.2m峰については全く見つかりません。天狗山でさえ名前が付いているのですから、三角点の有る629.2m峰なら確実に山名板が有ると思っていたのですが…
西に伸びる尾根には道が続いていました。しかし、それは緩やかに下る部分だけで、南に針路を変えて行く所から急下りになると消えて無くなります。ピンクのリボンの目印が続くので通る人はいる様ですが、ろくに踏み跡が付いてない所を見ると稀にしか通らないみたいです。
急斜面を下り平坦地に降り立つと、再び道形がはっきりしました。どうやら古くから使われてきた道で、長年踏み固められた地面は、平らな所では簡単に消えて無くならないと言う事でしょう。
道は629.2m峰を巻いて南に伸びる尾根に続いていました。東尾根はやや急傾斜なので南尾根から登るのだと思っていたら、尾根を下る方向(上段写真)に続くだけで山頂方向(下段写真)には人の通った形跡はゼロです。仕方なく藪漕ぎをして山頂に向かいました。
10:16 山頂に到着。三角点が埋まっているだけで山名表示は有りませんでした。よく見れば写真横方向には薄く踏み跡が続いています。尾根の流れからすると、小前集落辺りへ下っているのでしょう。
結果を見ればわざわざ訪れる程の山ではありませんでしたが、それが分かっただけでも縦としましょう。
10:41 天狗山まで戻ると、山頂直前で大前への道が分岐しています。往きに通ったのは9:51でしたから、629.2m峰への往復はきっちり50分でした。(山頂での休憩含む)
赤松の並ぶ尾根を下って行きます。何故か分からないけど、松の作る景観って好きです。
行く手に小ピークが現れると、手前で道が分岐していました。大前へは右折です。
10:55 大前集落に入ったら、舗装路に変わってすぐの所を右に曲がらなければならなかったのですが、間違えて直進してしまいました。小前まで行ってしまい、戻って来たのは11:21。26分のロスです。
坂を下り、左カーブの所で道を外れます。草だらけの細い道なので見落とし易いです。
11:44 約20分山道を下ると284号線に突き当たります。秩父華厳の滝はすぐ近くで、5分で着きます。
赤茶けた岩と薄緑に濁った水のコントラストで綺麗に見えます。「全国10位に選ばれました」と、入口に看板が立てられ宣伝していますが、何の10位か書かれていませんね。
通り道に札所34番水潜寺が在るので一応寄ってみました。余り興味が無いので1周して出てしまいましたが、札立峠に続くこの道を見た時には、江戸時代から大変多くの人がこの結願の寺へ、最後の峠を越えてやって来たんだろうなと、過ぎ去った時間を思ってしまいました。
この後、駐車場到着は12:46でした。不要な629.2m峰への立ち寄りと、大前集落での間違えが無ければ、3時間半で回れるコースです。
道の駅で食事をした後、まだまだ時間が有ったので、気になっていた法性寺に行ってみました。分県登山ガイド埼玉県の山に出ている「15 般若山・釜ノ沢五峰」ですが、14時を過ぎているので全コースを歩く訳にはいきませんから、ほんの触りだけ、お船と奥ノ院を見て戻りました。
法性寺境内を1番奥まで進み、この岩の隙間を通り抜けると奥ノ院に続く山道が在ります。お船と奥ノ院の分岐まで約20分です。
ここがお船と呼ばれる一枚岩の尾根です。末端の岩舟観音まで下りて行くのですが、左側が切れ落ちた崖なのでスリルが有ります。
分岐まで戻り、反対へ進むと奥ノ院です。ここは鎖無しでは登れそうもありません。昔の人は何の補助も無く登っていたのでしょうか。
登り着くと大日如来が祀られていました。岩舟観音も、この大日如来も、あまり古いものではなさそうです。