大霧山に初めて登ったのは3年前の5月、まだ登山にハマる前で、粥仁田峠からの往復という簡単なものでした。デジタル一眼レフを購入し、写真を新たな趣味にしようとあちこちに出掛けていた頃です。山頂までの往復に1時間も掛からない距離ですが、当時はそれでも充分に登山気分が味わえていました。今となっては大手を振って登ったと語れない陳腐な記録です。
そこで今回、やはり中途半端だったと感じている笠山・堂平山を合わせ、比企三山を一気に縦走してみる事にしました。
9:18 ヤマメの里公園駐車場(無料)をスタート&ゴール地点にしました。皆谷バス停が近いので、バス利用の場合でも同じコースを辿る事になります。
駐車場から見える所に萩平への分岐が在ります。外秩父七峰縦走ハイキングコースの笠山CPと書かれた標識が随所に見られるので、それに従って行けば間違いありません。この道は同コースのエスケープルートの1つなのです。
萩平に大分近付いた所でカタクリの群生が見られました。森の妖精に譬えられる姿は確かに可憐で、撮影対象としては最上の部類です。桜は別格ですが、これも撮影の為に出掛けても良いと思える数少ない花の1つです。
9:47 萩平に着きました。1月の臼入山の時に、観音山へ行こうとしたのはこの丁字路からでした。左折の舗装路との間に山道が延びています。
右に行くと30m位で直ぐにまた左へ道が分かれます。指導標と七峰縦走コースの案内がダブルで笠山を指しているから分かるでしょうが、ここは左へ行きます。この右手は遊具を置いた小さな公園みたいになっており、トイレが有りました。
9:51 100m位先が登山口です。この舗装路も笠山を巻く林道なので、この先何度か交差しながら進む事になります。この先で砂利道に変わり、最終的には七重峠まで通じている林道です。これ以降は堂平山までの間を1度紹介(官ノ倉山・笠山・堂平山の項)してますので、途中経過は省きます。
10:48 笠山西峰手前で堂平山への道が分岐して行きます。西峰には5〜6人の登山者が居て、山名板の前で順番に写真撮影をしていました。場所が空くまで待っていられないので通過し、そのまま東峰へ。
10:51 2分ほどの軽い登りで東峰に着きます。オッパイ山の乳首部分ですから西峰から見ても明らかに最高地点なんですが、こちらには誰もおらず、休憩中も1人として登って来る人は居ませんでした。
この奥に社務所みたいな建物が在ります。そこにトイレが有るとどこかのページで見たのですが、確認するのを忘れてました。
11:32 堂平山の山頂北側斜面はパラグライダー場です。この日は飛んでいる人が居ない様でした。
さすがに良い眺めです。先日の丸山の時より空気が澄んでいますね。この前は浅間山が見えませんでしたが、今日は良く見えます。
11:37 山頂に到着。ここで昼食休憩にしました。トイレはこの天文台と、少し東へ行った星と緑の創造センターに有る様です。
12:34 下山開始。暫くの間舗装路を行きます。
手前のp864は無名ピークなので巻き、この剣ヶ峰から舗装路を外れて行きます。短いながらも中々厳しい登りでしたが、次の川木沢ノ頭に比べたら可愛いものです。
12:48 剣ヶ峰山頂はアンテナ塔が占領してました。堂平山より0.2mだけ高い876mは本日の最高到達点ですが、実際の所はどうなんでしょう。山頂を削らずにこんな物が建てられるとは思えませんが。
12:57 舗装路を介さずに白石峠まで下りて来られました。そのまま道路を突っ切って対面の階段を登って行きます。
876mの剣ヶ峰から760mの白石峠まで下り、再び874mの川木沢ノ頭へ登るのですから堪ったものではありません。しかも地形図を見ると、ここからの登りは剣ヶ峰に比べ半分の距離で登っています。単純に考えて倍の勾配という事ですね。
170段と表示された数段先で階段は終わり、そこから巻き道が始まりました。冗談じゃない、ここまで来て巻いて堪るか。階段の延長線に道は続いているので、そのまま一直線に山頂へ向かう事にしました。とは言え、まだ3分の1も来てないですからここからが本番です。階段が無いのはむしろ登り易いですが、登る人が稀な道は落ち葉が積もって滑ります。苦しい登りになりました。
13:10 やっとの思いで山頂に到着。ここが川木沢ノ頭です。剣ヶ峰と同じ様にアンテナ塔が占有してました。こんなに幾つも建てる必要が有るのだろうか。
向こうと違うのは眺望が良いという点です。通過して来た笠山・堂平山が良く見えました。
ベンチなどは無く、この様な切り株が2箇所に有って椅子代わりです。日差しを避ける事も出来ませんから、夏には向かない場所ですね。
13:16 出発。切り株の向こうへ下って行きます。倒木が幾つも塞いだ荒れた道でしたが、勾配はずっと緩いので巻き道から折り返した方が早かったかも知れません。
p828の登り返しまでは、この様に落ち着いた雰囲気のなだらかな道でした。丸山が良く見えます。
定峰峠に大分近付いた所で突然こんな手摺が。山の中ではちょっと見ないタイプです。
13:55 定峰峠が見えて来ました。この辺りは東側が切り払われており、笠山・堂平山を右に見ながらの下りになります。
飲料水が底を突きかけていたので定峰峠にて購入。長丁場でこういう場所が在るのは助かります。ただ、スポーツ飲料はポカリが欲しかった。アクエリアスは味が濃過ぎて逆に喉が渇きます。
14:09 休憩の後出発。大霧山方向の道は目立たない所に在り、一瞬探してしまいました。下って来た道の対角辺りに在ります。
14:25 獅子岩というのが在りました。どう捉えれば良いのでしょうか。左上を向いた横顔にも見えますし、同じく左向きで蹲っている姿にも見えます。
14:38 旧定峰峠です。新旧でこんなに離れた峠も在るんですね。30分も掛かりました。
ここには「ダイダラボッチの伝説」と書かれた案内板が立っていました。有名なダイダラボッチとはこの辺りの話の様です。
大霧山の1つ手前のピークから有刺線の柵が現れました。向こう側は放牧場の様で、明らかに牧草地が広がっていると感じられる明るさです。堂平山からのパノラマ写真を見れば一目瞭然ですね。
15:12 大霧山に着きました。旧定峰辺りからめっきり登山者に会わなくなり、ここも貸し切り状態です。そうでしょうとも。もう3時過ぎなんですから、今頃山頂に着いたんでは遅過ぎます。空気の透明度はどんどん落ち、午前中にあれだけはっきり見えていた浅間山も、もう見えなくなってしまいました。
こればっかりは長距離ハイクの場合仕方ありません。二者択一でどちらの眺めを優先するかです。今回は標高の高い堂平山からの眺めを取りました。真冬ならこの時刻でも空気の澄んでいる可能性は有りますが、今度は日没時間との競争になってしまいます。
15:37 下山を開始します。粥仁田峠に下るつもりでしたが、山頂手前50m位に気になるものを発見しました。荒れ果ててまともに歩ける状態ではないですが、溝になった道形がはっきりと見て取れます。使われなくなった古い登山道という気がしてなりません。
どこに下るのか探りたくなりました。地形図には東に1本の破線路が記されていますから、もしそこに繋がるなら大幅なショートカットになります。
下り始めると直ぐに溝は分からなくなりました。しかし、有刺線の柵が相変わらず道案内の様にどこまでも続いています。柵に沿って進む事にしました。
もしかしたら、柵の内側に溝の道形が続いていたのかも知れませんが、私有地でしょうからどのみち入る訳にはいきません。柵は沢筋の右岸に沿って続く様になりました。
倒木が数m毎に柵へ寄り掛かり、まともに歩けません。それでも、沢に向かって落ちる斜面を歩くより幾らかマシです。下るに従って沢は段々と深いV字を刻む様になり、沢身を歩くしかなくなりました。
16:16 右岸前方に木の無い明るさを感じたので登ってみると、舗装路が通っていました。ヤマナビ2で現在地を確認し、粥仁田峠から朝日根に通じる道だと分かりました。予想と違う所に出ましたが、取り敢えずショートカットには成功です。しかし、下山開始から40分も経ってます。以前、粥仁田峠へ下った時は20分でしたから、時間的には変わらないか、やや遅い位でしょう。
16:23 地形図に記されたもう1つの破線路が確り存在してました。無ければ朝日根経由で下りなければなりませんから、疲れた脚には大変助かります。存在さえ危惧した道でしたが、実際には確り簡易舗装された立派な道でした。
山頂部分が削られて無くなった観音山を正面に見ながら下って行きます。遠くで一般道に合流しているのが見えます。合流点に近付くと砂利道に変わりました。
皆谷の集落では梅が満開でした。一杯引っ掛け、ご機嫌な様子で犬の散歩をしているおっちゃんに呼び止められ、どこへ行って来たのか尋ねられました。比企三山を縦走して来た事を伝えると、さして驚いた様子も無くご苦労だったねと労われました。七峰縦走が当たり前のこの辺りでは、半分にも満たない三座縦走は普通の事なのです。
梅について、いつも今頃なのかと尋ねると、今年は大分遅いとの答え。例年よりずっと寒い冬だった様です。
駐車場に到着したのは17:03 でした。