日向沢ノ峰

日向沢ノ峰(1356m)

日向沢ノ峰登山図

2011年4月下旬、棒ノ折山から登り始めて日向沢ノ峰、有間山、蕨山と巡り、金比羅尾根で戻るコースを行きました。雲取山の雪がいよいよ無くなった様なのでゴールデンウイーク中には登ろうと思い、その前に20kmの距離に体を慣らそうと思っての行動です。これだけの距離を周遊出来る所は奥武蔵では滅多に無く、貴重なコースです。今は地元の反対で無くなってしまった様ですが、一昨年までほぼ同じコースを辿るトレイルランの大会が有ったそうです。


河又

6:37 出発は河又からです。さわらびの湯駐車場はまだ開いていなかったので、有間橋の袂の駐車場に止めて出発しました。

白谷沢登山口は遠いいし1度登っているので、今回は滝ノ平尾根を登ります。初めて歩くのはここから岩茸石までの間と、棒ノ折山から日向沢ノ峰まで、そして仁田山からタタラノ頭までの区間です。半分は歩いた事の有る所なので特に緊張もなく、前夜もぐっすり眠れました。

滝ノ平尾根登山口

矢印に従って行くと3分程で民家横の登山口に着きました。ぱっと見畑道の様に思いましたが、足元に置かれた看板ですぐに分かりました。

登り始めは地面が雨で削られ、木階段も崩れて歩き難い道でした。前日が台風の様な天気で雨だった為余計です。それがある程度登ると砂利が敷き詰められ、歩き易く変わります。恐らく林道工事の際に出た土砂を利用したのでしょうが、林道の是非は兎も角、滑り難い道は助かります。

雨で湿った地面から蒸気が上り、辺りに立ち籠めて幽玄な雰囲気です。気温の上昇とともに消えてしまうでしょうから、早朝出発の褒美ですね。いつもなら鼻がグシュグシュになる植樹林も全く花粉が感じられず、澄んだ空気で清々しいです。

林道大名栗線

7:34 林道大名栗線を横断します。曲がりくねった林道に対しショートカットする様に登山道が進むので、この先あと2回、計3回横断する事になります。2回目と3回目の間は小山を越えるので、林道を歩いた方が効率良いかも知れません。但し、その小山は白地(しきじ)平と名が付き、パラグライダー場らしき台が在るので天候が良ければ眺めが良さそうです。

岩茸石

8:04 岩茸石に到着。ここで白谷沢、名栗川橋からの道が合わさるので、ちらほら人に出会う様になりました。

8:20 権次入峠通過。

棒ノ折山

8:30 棒ノ折山(969m)に到着です。1番乗りかと思ったら奥の方に人が居ました。奥茶屋からだと1時間半なんですよね。

ガスって眺望はゼロです。でも最初から期待してなかったんで気になりません。今日はトレーニングの為に登ったんですから。それにこういう雰囲気も山らしくて好きです。

先が長いんでゆっくりしている暇はなく、8:41 出発しました。

槙ノ尾山

棒ノ折山を過ぎると通る人が一気に減る為、大分道の様子が変わります。道標がしっかり立ちルートははっきり分かるんですが、道には落ち葉が積もっていたりで、いかに通る人が少ないか感じられます。棒ノ折山までは殆んど地面剥き出しの道だったんですけどね。

8:56 槙ノ尾山(945m)通過。何も無い山頂です。

明るい山道

槙ノ尾山を下り切った所は自然林になっています。雲を抜け出たのか、日が差し込んで明るい山道は嬉しくなるほど気持ち良いです。荷物を降ろし暫し休憩していました。しかしですね、すぐ北側が崖の様になっていて下を林道が通っているんですが、そこをオフロードバイクがけたたましい音で駆け抜けていくわけです。一気に気分が冷めました。

4台連なって通過しましたが、その内の1台が明らかにノーマルの排気音ではありません。こちらは3階か4階位の高さから見下ろす感じですが、何か投げ込みたい衝動に駆られました。林道が通っている以上そこを走るのは自由です。しかし、こんな静かな山に来てまで迷惑を撒き散らすなっ!と、言いたい。

長尾丸山

登山道は長尾丸山(958.4m)の南を巻いていました。正確には稜線の道と分岐しているのですが、一見すると道が在る様には思えず殆んどの人が巻き道に入ってしまうと思います。それに気付いたのは道が巻き始めて暫く経ってからですが、稜線の道は長尾丸山手前で一山越えた後、鞍部で近くなります。そこまで比高20〜30m位でしたが、登ってみると大した苦労も無く鞍部に乗り上げる事が出来ました。その後は一登りで山頂です。9:29 到着。三角点が有るので槙ノ尾山よりは山頂らしい所ですが、やはりベンチも無い小さな山頂です。

この道は日向沢ノ峰からだと逆にメインルートの様になっていて、巻き道は見落とし易い細い分岐でした。なので踏まれ具合は同程度です。

クロモ山

長尾丸山を下り、暫く細尾根のアップダウンを繰り返した所で巻き道が合流しました。その後小山を1つ巻いたら、前方に高く聳えるクロモ山の登りが始まります。ここの登りは全行程中でも日向沢ノ峰に次ぐ厳しい登りです。

続く山ナシ山(1087m)の登りもクロモ山程ではないですが大変です。これらの山名は地図に載っておらず、誰かが残したビニールテープに書き入れてあった名です。正確なものかは分かりません。

岩尾根

山ナシ山を下ると再び尾根上の小ピークに向けて急登です。その後は日向沢ノ峰への取り付きまで軽いアップダウンが続き、一息吐けます。写真の様な岩尾根も在り、変化が有って面白いです。

送電線鉄塔

10:53 送電線鉄塔が在りました。下は芝になっているので休憩に良い所です。高圧線の電磁波が気にならなければ…ですが。

鉄塔の向こうに見えるのが日向沢ノ峰です。

有間山分岐

11:05 右に有間山と書いてある道標の所から、急激に角度を増した登りに差し掛かります。見上げる首の角度が普通ではありません。記憶の糸を手繰り寄せても比肩する登りはすぐに思い付かない程です。

日向沢ノ峰

11:23 見覚えのある防火帯に出ました。都県境の稜線です。ていうか、考えてみたらここまでも都県境を登って来たんでした。写真のコブの向こうに山頂が在ります。

ここを登るのに際し、検索上位にヒットしたページのコースタイムを参考にしましたが、棒ノ折山〜日向沢ノ峰だけで30分も遅れてしまいました。女性だったのでこちらとしては余裕が有ると思い、楽な時間設定のつもりだったのですが… 私は明らかな速筋タイプで、特に脚については垂直跳びで殆んど人に負けた記憶が無いほど偏っている為持久力は弱いと思いますが、それでも最近は先行者をよく追い抜く様になりました。少なからず自信が有ったんですが、本気の山屋には全く通用しないと痛感しました。

1分で山頂に着きます。曇り空で景色は霞んでいるし、月初めに来たばかりなので写真だけ撮って先に進みます。

送電線鉄塔2

有間山に続く尾根は昨年の三ツドッケ往復で通った道です。こちらにも送電線鉄塔が有るんですが、下は砂利敷きで快適に休憩出来る所ではありません。ただ、眺めは良いのでついつい長居したくなります。先程通った向こうの鉄塔も良く見えます。

仁田山分岐

11:54 下り切った所が林道側の登山口です。ここまでが日向沢ノ峰で、この先から有間山という事になります。

今回は仁田山に登ろうと思い藪漕ぎを覚悟していたんですが、何と刈り払いされているじゃないですか。昨年の状態(有間峠〜三ツドッケ往復最後の写真参照)だと山頂まで行くのも一苦労だったでしょうから、手入れをしてくれた人には感謝です。

仁田山登りからの眺望

暫く林道沿いに進んで行くので、コンクリートの吹き付け処理された所では遮る物の無い眺望が楽しめます。その後は防火帯になり、山頂に近付いた所で再びスズタケの藪に入って行きます。有間峠側は全て藪道でした。


仁田山

12:07 仁田山(1211m)に到着しました。四畳位に藪が刈られていて少人数ならくつろげます。昼食休憩していると7〜8人の団体さんがやって来ましたが、挨拶だけして下って行きました。写真も撮らずに通過したので遠慮していたのかも知れません。その後は誰も通らず静かな山頂でした。

写真(下)の左右方向に刈り払いされた道が通っているのですが、背中側にも踏み跡が有りました。もしかしたら鹿が作った獣道かも知れませんが、そうでないなら広河原谷にも下る事が出来るのだと思います。

13:05 休憩を終え出発。

有間峠

13:12 すぐに有間峠です。タタラノ頭側の道は対面に無く、林道を落合の方へ少し下った所に在ります。去年逆川乗越からタタラノ頭へ登った時、帰りに車で場所の確認をしておいたんですが、時間が経ちすぎて記憶が薄れ、見落として通り過ぎてしまいました。有間峠から100m足らずの所です。

引き続きスズタケの藪を行きますが、こちら側は仁田山の様な勢いはありません。刈り払いしたと言うより自然に後退した感じで、道に近い所ほど疎らになり体に触れる事は殆んど無いです。仁田山の方は肩幅位に刈ってありますが、穂先が広がっているので結構うるさく感じました。

タタラノ頭

13:57 タタラノ頭に到着。有間峠から思っていたより長かったです。大分疲れが出ているんでしょう。昨年26分だったタタラノ頭〜逆川乗越間が38分でしたから。

この先は昨年の有間山及び蕨山を見て頂ければどんな所か分かるので省きます。代わりに道すがら撮った風景や花などを。

景色

左が棒ノ折山、右が槙ノ尾山です。緑の中に点々と見える山桜が映えます。

アカヤシオ1

アカヤシオが満開でした。今の時期は主にこれとミツバツツジです。見比べるとやはりこちらの方が華やかで愛らしい色で、人気が有るのも分かります。

アカヤシオ2

岩に生えるアカヤシオ。ここは景色も良い所です。

苗木

小ヨケノ頭から暫くの間、間伐された所に苗木が植えられていました。付けられた札によると、イロハモミジ、ヤマザクラ、クヌギの3種がランダムに植えられているみたいです。これが育ったら良い雰囲気になるでしょうね。

駐車場

17:20 駐車場に到着。暗くはなってませんが太陽は稜線に沈んでいます。歩行距離は23km弱で予想より多く歩いてますが、しかし、どうやらこの辺が自分の限界です。30km、40kmと歩く人がいますがとても真似出来ません。

トレイルランのコースは名栗湖畔を4分の3周してから白谷沢を登るので28kmになりますが、優勝者はそこを3時間掛からずに駆け抜けたとか。バケモノですね。

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