芋掘りドッケン

芋掘りドッケン(1464.0m)/倉明山(1333.4m)/茂萩山(1188.2m)

芋掘りドッケン登山図

県内最後のドッケ系になる芋掘りドッケンに行って来ました。両神山系に属し、梵天尾根の中ほどに在ります。往復ではつまらないので、道の駅大滝温泉に車を止めバスで移動、中双里(なかぞうり)から白井差峠(しらいざすとうげ)を経て芋掘りドッケンへ。その後は梵天尾根を末端の秩父御岳山まで下るつもりでいました。久々に20kmに及ぶ長躯です。しかし、脚攣りによって完遂は叶わず、最後の秩父御岳山は林道で巻く事になってしまいました。


中双里橋

数分遅れで中双里に到着。ストレッチしたりヤマナビ2の準備をしているうちに8時になりました。20kmという距離を考えたらあと1〜2時間は早く開始したいところですが、こればかりはバスの時刻次第なのでどうにもなりません。これでも始発バスに乗ったんです。しかも、これは平日運行のみで土曜・休日はもっと遅い時刻になります。

8:00 出発。中双里橋を渡って左へ川沿いに進みます。

登山口

直ぐ先が指導標と登山ポストの立つ登山口です。家の間を縫う様に狭い階段路地を上って行きます。

お墓と3つ並んだ石祠

集落内は少し分かり難いですが、小さな集落なので迷っても大した事はありません。お墓と3つ並んだ石祠が見えたら、もう集落を抜けた事になります。通り過ぎてその先を折り返すと、鉄パイプの手摺りが付いた石段が有り、そこからいよいよ山道です。

急斜面の登り

急斜面が高々と続き、先日の高ドアへの登りを思い出します。登り始めると直ぐに汗が噴き出しました。しかし、確かに急登ではあるものの、こちらはジグザグに道が切られているので常識の範囲内です。

標高890m付近

8:36 やっとの思いで辿り着いた小さな平坦地。ヤマナビ2で現在地を確認すると標高890m付近でした。36分も掛かって進んだ距離に絶望感さえ覚えます。取り敢えず汗でずぶ濡れになってしまったTシャツを脱ぎ、ズボンにまで被害が及ぶのを防ぎます。そのまま汗が完全に引くまで15分ほど休憩。着替えた後出発しました。

川後岩

9:08 川後岩です。そのまんま「かわごいわ」と読みます。撮影時刻とGPSログを照らし合わせると、標高1030m辺りに在るので標高の点では真ん中に当たります。変わり映えの無い道がずっと続きますから、経過を知る良い目印になりますね。

特徴有る木

9:59 特徴有る木の下を通ります。標高は1190m付近。本来なら白井差峠に着いていなければならない時刻ですが、全く届いていません。

この後1256m標高点でもう一度Tシャツを着替え、同じく15分の休憩。益々遅れる一方です。

白井差峠

10:36 ようやく白井差峠に着きました。ここで再び長々と休憩。自分でも休み過ぎと分かっているんですが、こう暑くてはどうしようもありません。下界では猛暑日でしたから、この程度の標高では30℃に届いていたかも知れません。登る季節を間違えました。

10:54 休憩を終え出発。

両神山

1441m峰の登りにて。両神山が良く見えました。左に続くのは狩倉尾根でしょう。あそこにも槍ヶ岳が在ります。

11:51 p1424付近で日当たりの良い平坦地を見付け、昼食休憩にしました。自分が日に当たる為ではなく、ズボンを乾かす為です。自分はパンツ一丁になり木陰で過ごしました。平日のこんな所へ誰も来る筈無いですから、そんな姿でも安心です。

芋掘りドッケン山頂

12:47 休憩を終え出発。ズボンはまだ乾き切ってませんが、脚に貼り付かなくなっただけマシです。

12:58 芋掘りドッケンに到着しました。昨年の写真に山名板が写ってましたが、どこを探しても見当りません。地権者が外してしまったのでしょうか。縦走路しか無いと思っていた道も、烏頭山の方へ確りした踏み跡が続いています。意外に山仕事で頻繁に来るのかも知れません。

p1331への登り

p1331への登りです。茂萩山に掛けてこんな感じの所が多くなって行きます。

芋掘りドッケン

振り返り見た芋掘りドッケン。

奥秩父・中津渓谷景勝地マップによると、この先は倉明山(くらけやま)、茂萩山(しげはぎやま)となっています。「山と高原地図」に記載された「滝ノ沢」「四期萩」は三角点名であり、山名では無かったんです。芋掘りドッケンも「芋掘り」と送り仮名を付けるのが正しい様ですから、今回からそうしています。

山道

倉明山山頂は少し外れた所に在り、ここから往復する形になります。ほんの100m位ですが、岩を左右に巻きながら進むのでちょっと煩く感じます。

倉明山

14:00 山頂に到着しました。更に南へと道は続いています。滝沢園地から登った記録を見た事が有るので、多分この道がそうなのでしょう。用意して来た山名板を括り付け、軽く休憩して出発。

ここから暫く長い下りが続きます。順調に下っていましたが、途中でとうとう恐れていた脚攣りが始まってしまいました。これだけ汗を掻いたら何時有ってもおかしくないと思っていたのです。

見上げる茂萩山

初めは小さな波が時々押し寄せるだけです。マッサージしたり屈伸したりして何とか凌いでいると、そのうち大波が襲って来る様になります。写真は茂萩山への登りですが、将にその大波が始まらんとしていた頃でした。高さ100m程の岩稜を登る為、どうしても大きな段差を乗り越えなければならず、大股で踏み出す度に筋肉が攣ってしまいます。その都度治まるまで脚を休めないとなりませんから、遅々として一向に進みません。

岩稜からの眺め

脚の状態は兎も角、眺めは最高の場所です。下から見上げた時は大きな岩が連続するので圧倒されましたが、実際に登ってみるとそんなに難しい所は有りません。ルート読みさえ確りやれば行き詰る様な事は無いです。


茂萩山

16:39 足を引きずりながら何とか茂萩山に到着。鞍部から54分も掛かりました。これは大部分が脚を休める為に要した時間であり、完調時なら半分も掛からないと思います。

ここの山名板も用意して来たので、括り付けて休憩にしました。遠くで発破音が響きます。両神小森の採石場でしょう。

16:55 重い腰を上げて出発。

細尾根

脚はもう回復の見込みが有りません。林道がどこかで横切っているのは分かってましたから、御岳山は早々に巻く事を決めました。もう気持ちが完全に切れています。それを反映する様に薄暗く淋しい細尾根になりました。

岩小屋

岩小屋に祠が祀られていました。場所はどこだったか覚えてません。ヤマナビ2の電池が切れてしまった為、ログによる参照も無理です。1020m峰の登りだったでしょうか。

林道御岳山2号線

18:24 尾根が切られ、林道が切り通しを乗っ越していました。1020m峰を下った所に在るのかと思ってましたが、もう1つ先の鞍部です。この頃には20〜30mの小ピークを越えるのも大変でしたから、林道が見えた時には心底ほっとしました。やれやれという感じで階段を下りて行きます。

真っ平な路面

林道御岳山2号線です。完成後間もないのでしょう。轍も無い真っ平な路面は大変歩き易かったです。

後は林道を下るだけですから、これで一応は安心なんですが、出来れば暗くなる前に普賢トンネルを抜けておきたいところです。僅かに残った水を飲み干し、気合を入れてもう一頑張りしました。

落合コース分岐

18:46 何とか暗くなる前にトンネルを抜けました。以前通った落合コースは、崩落の為にもう2年も前から通行止です。復旧させるつもりが無い様ですね。

ここから先は林道御岳山線になります。更に林道杉ノ峠線へと乗り換えて長々と歩かねばなりません。杉ノ峠線に乗る頃には月明かりで歩く様になっていました。道の駅到着は20:06 です。

私は結局12時間も掛かってしまいましたが、印象としては通常の力量で10時間位のコースと感じました。となると、バスの運行時間により8時開始は決まりですから、秋や冬では時間的に厳しいと思います。18時の時点で充分な明るさが有り、且つ、適度な涼しさを求めるなら登る時期は限られますね。

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