箱根北部外輪山

明星ヶ岳(923.9m)/明神ヶ岳(1169.1m)/金時山(1212.5m)

箱根北部外輪山登山図

2011年2月初旬、箱根北部外輪山に登って来ました。遠いのでそう度々来れないですから、1度に纏めて登ってしまおうと言う事で、明星ヶ岳から金時山まで縦走です。明星ヶ岳登山口周辺には駐車場が無いらしいので、公時神社に車を止めバスで移動、宮城野橋から登り始めました。


ハイキングコース案内図

ハイキングコース案内図です。クリックで拡大します。

宮城野橋から登山口まで10分となっていますが、これは走らない限り無理だと思います。逆に、明星ヶ岳から明神ヶ岳までの95分は余裕を持たせ過ぎです。軽いアップダウンしか無いのこの区間で1時間半も掛かるとは思えません。一方で、明神ヶ岳から先は驚くほど正確です。それぞれの区間で1〜2分しか違いませんでした。

宮城野橋の交差点

8:11 宮城野橋からの撮影です。背中側に宮城野橋バス停が在ります。ここを右に入り、左カーブの後すぐの交差点で右折(下段)、大きくクランク状に進んで行きます。

前後しますが、公時神社バス停は御殿場からのバスしか通りません。本数も1時間1本位しか無く、且つ休日は早朝運行していないので仙石原バス停まで歩いて行きました。公時神社から約15分です。バス停からセブンイレブンが見えたので、更にそこまで行って買出し。次のバス停から乗りました。宮城野橋バス停の1つ手前(宮城野支所前)でもコンビニやトイレが有るそうなので、必要な方は状況に応じて使い分けると良いでしょう。

明星ヶ岳への道

右手に老人ホームが見えたら、通り過ぎる直前で左の上り坂へ入ります。

カーブを曲がった所から明星ヶ岳の全体像が見えました。思ったより山頂が近くに見えます。「70分も掛かるんだろうか。半分位で登れちゃいそうだな。」と思っていましたが、それは流石に無理でした。

登山口

8:24 舗装路から砂利道に変わると間も無く登山口です。分かり難いですが、作業フェンスの向こうに在ります。

登山道は大部分が階段になっており、1段の高さは適切ですが、やはり普通の山道と比べたら歩き難いです。土の流出が酷いようで、1段分流されている所も度々見受けられました。この辺りは篠竹が多いですから、根の張りが薄いのかも知れません。

大文字焼の場所

9:04 予期しない所で突然視界が開けました。大文字焼を行なう場所だそうで、宮城野、強羅の街並みが一望です。箱根で大文字焼が行われているとは知りませんでしたが、大正10年から続いているそうで、地元ではここを大文字山と呼んでいるらしいです。


金時山遠望

最終目的地の金時山は特徴有る山容で見付け易いです。そこから左に下って登り返すと長尾山、更に下って下り切った所が乙女峠です。ここからだと丁度乙女峠の上に富士山が見える筈です。天候が悪くて残念。

檜林

間も無く稜線に出ようかという所で檜林になりました。何かの電線がこんな所まで来ています。思えば登山口付近からずっと付かず離れず続いていた様に思います。

稜線の分岐

9:15 稜線に出ました。もう殆んど高さは変わらないのですが、右へ130m位行くと山頂です。明神ヶ岳は逆方向なので、この間は往復する事になります。

明星ヶ岳山頂

9:17 山頂です。縦走路からも外れていて、10m位北に奥まった所に在ります。御嶽大神が祀られていました。

10分程で出発。この日の関東平野は10℃を越える陽気でしたが、山上の朝はまだ大分寒いです。融けた雪で濡れた路面はカチカチに凍り付いてました。土に染み込んだ水分なので表面が滑り易い訳ではなく、むしろ蹴り足をガッチリ受け止め歩き易かったです。これが昼近くになるとぬかるみが酷くなり、特に下りでは着地の足が滑りスピードに乗れません。

明神ヶ岳へ続く道

平坦な稜線から北に針路が変わると明神ヶ岳が見えて来ます。イエローグリーンの山肌に一筋の線が入り、道がどこを通っているか良く分かります。低木と篠竹ばかりになり見晴らしの良い道ですが、益々ガスが濃くなり神山さえはっきり見えませんでした。

明神ヶ岳山頂
山頂からの眺め

10:28 明神ヶ岳山頂です。むき出しの地面が崩落地の様に見えます。こんな状態なのでまともに風を受け、汗ばんだ体が一気に冷えました。

(左)この方向には金時山と富士山が重なって見える筈でした。返す返すも残念でなりません。天気の良い日にもう1度登りたい気もしますが、神山にも登りたいので思案のしどころです。

10:41 出発。

縦走路からの眺め

明神ヶ岳から火打石岳の間は最も開放的な雰囲気が得られる区間でしょう。篠竹より背の低い笹やススキが目立つようになり、丹沢に共通する様な明るい稜線です。もっとも、この日は前日が雪だったのでそれが仇となり、ぬかるみが酷く歩き難くて仕方なかったですけど。

火打石岳

11:14 登山道は火打石岳の北を巻いています。地図には山頂を通る道と巻き道がここで分岐してますが、山頂へ行く人は少ないらしく、踏み跡が藪に没していました。藪漕ぎしてまで行きたい所ではないのでパスです。

この藪はスズタケみたいですね。穂先にしか新芽が出ないので食害に弱く、鹿の繁殖地では風前の灯となっていますが、これだけ勢いのある所は最近では珍しいです。

ハコネメダケ

火打石岳を過ぎると篠竹の一大繁殖地です。箱根には固有種のハコネメダケという篠竹が多いそうで、多分これがそうなのでしょう。丈が高く眺望は得られませんが、圧迫感は無く、むしろ他に無い独特の雰囲気にワクワクします。昔の遊園地で良く見掛けた迷路みたいです。

金時山へ続く道

金時山が見えて来ました。篠竹の為にこれだけ近付くまで見えなかったのです。昔は猪鼻嶽(いのはなだけ)と呼ばれていたそうですが、納得の山容です。しかし、そうなると足柄山はどこの事でしょう。

金時山

楽しかった道もこう長く続くと飽きて来ます。遠目には草原の様に見えますが、全部篠竹です。曲がりくねった線が道で、写真ではぎりぎり外れていますが、横に走る道と金時山から下って来る道の交点に矢倉沢峠が在ります。


分岐

乗越しという意味ではここの方が峠に相応しいですが、何も表示が無いので只の分岐です。右へ行くと南足柄市の方へ下ります。左は仙石原へ下っていて、70〜80m先が矢倉沢峠です。金時山へ行くには矢倉沢峠を右折です。

矢倉沢峠

12:07 矢倉沢峠に到着。ベンチ・テーブルが有るので昼食休憩にしました。

背にした所には茶店の様な建物が有るのですが、閉まっていました。日曜日に開けないでいつ開けるのでしょう。休憩中も随分人が通ったので需要は有ると思うのですが。

クッカー一式

今年から使い始めてます。湯を沸かすだけなのでジェットボイルという選択肢も有ったのですが、こっちの方が軽いし気分が出るので。実際使ってみると、持ち運ぶ水の量は増えるものの、山で食うラーメンの旨さは格別です。カップラーメンなら調理の煩わしさも無いので病み付き。

この日はBIGカップラーメンとおにぎり2個、最後にドリップ式のインスタントコーヒーです。スープをその辺に捨てるのは気が咎めるので、全部飲み干します。BIGカップは多すぎて苦しくなり、暫く動けませんでした。

金時山登山路

13:11 少し楽になったので出発。唯一の欠点は休憩時間が大幅に伸びてしまう事ですな。セッティングから湯沸しの時間、後片付けの時間など、今までに比べやる事が多い。それでも寒い間は止められませんが。

中腹辺りでやっと篠竹を抜けます。この先、山頂に近付く程急になり、岩屑のゴロゴロした登り難い道になって行きます。

金時山頂

13:49 金時山に到着です。山頂に売店が2件在るなんてなかなか他では見られません。それだけ登る人が多い山なのでしょう。

左寄りに富士山が見える筈でしたが、やっぱりダメです。

富士山

休憩していると、僅かな時間頭を出しました。ほんの数十秒ですが、全く見えないよりは良かったです。

これ以上待っても姿を現しそうに無いので、14:08 下山開始。もう1つ行ってみたかった場所の乙女峠から下山します。

神山と芦ノ湖

芦ノ湖も見えるんでガスってなければ良い眺めだったでしょうね。往復290kmも走って来たのに勿体ない。

長尾山

14:38 長尾山通過。この右側に少し広場が有るだけで、全く山頂らしくない所です。

乙女峠

14:49 乙女峠です。余りこちらから下りる人は居ないらしく、金時山の賑わいが嘘の様に静まり返っています。正面に見える乙女茶屋はつぶれたみたいで、庭のバルコニー席などは酷い有様でした。

乙女峠2

この方向に富士山が在ります。下の写真は以前sidewayでも紹介した明治期の古写真。今は見る影も有りません。5分程で出発。

乙女峠古写真
乙女口

15:22 乙女口に着きました。車道を左に10分位行くと公時神社です。

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