先週に引き続いて小持山周辺を少し歩いてみました。一の鳥居から出発し、持山寺跡、シラジクボを経てスゲ沢を下り、高わらび尾根へ登り返して一の鳥居に戻りました。先週高わらび尾根で会った地元の人が、どこを通って戻ったのか探りたくなったのです。口を濁して(単に説明できず口篭っただけかも)いましたが、武甲山の方へ下るとの事で思い当る道が有りました。3年前に武甲山へ登った時、スゲ沢分岐の道標に山道と書かれていたのを思い出したのです。
7:52 一の鳥居駐車場を出発。十三丁目付近まで、武甲山の表参道を行きます。
8:07 十二丁目と十三丁目の間に、この分岐が在ります。堰堤に架けられた鉄製の橋を渡り、持山寺跡・シラジクボと書かれた方へ入って行きます。
直ぐに杉植林の中を九十九折れに進む急登に変わりました。この道は初めて通りますが、思ったより確りした道で道標も完備してますから、初心者でも安心です。
8:28 林道に出ました。この林道も表参道十四丁目辺りから来てますから、遠回りでも緩い登りが良いと言う人は、そちらを使うのも1つの手です。
出た所はM字型に蛇行するカーブの頂点部分でした。歩行者用に頂点から頂点へショートカットする道が在ります。そこを通って次の頂点に立つと、カーブの終わりで直ぐに林道と分かれました。
8:36 正面に南無阿弥陀仏と刻まれた碑が見えます。実は何と書かれているのか読めませんでした。辛うじて最後の文字が仏の異体字である佛っぽいかな、という位です。ネットで調べて分かりました。
ここは丁字路になっています。持山寺跡に寄るなら左、寄らずにシラジクボへ向かうなら右です。初めてなので一応寄ってみました。
2〜3分の距離でした。2度3度と来る所では無いですが、初めてなら1度位は寄っておくべきでしょう。
持山寺は通称で、正式には阿弥陀山念仏寺というそうです。現地案内板に松平長七朗の入定伝説が書かれていました。
道はここで終わっておらず、竹林の中を更に奥へ続いていました。しかし、立入禁止テープで塞がれています。先の案内板によれば、周辺には滝、池跡、入定場、宝篋印塔などが現存するとの事なので、この先に在るのではないでしょうか。他は兎も角、滝には少なからず興味を持ちましたが、あくまでも寄り道なのでここは休憩だけに止め、8:48 出発しました。
丁字路まで戻り、逆方向に進むと直ぐ先が林道でした。勿論先程一瞬交差したあの林道です。ここでもほんの5mほどで分かれる事になりますから、トータルでも30m位しか林道は歩きません。この先はずっとシラジクボまでこの林道を右下に見て進む事になりますが、これ以降は交わる事がありませんでした。
新緑が眩しい季節になりました。関東平野は夏日になる予報でしたが、山は丁度良い気温です。
9:08 シラジクボに着きました。小休止してこのまま尾根を越えて行きます。
9:30 以前、裏参道(浦山コース)で武甲山に登った時は、左側からここへ登り着きました。標柱に「スゲ沢上流」と書かれています。
後でここを下りますが、一旦見送って直進します。この先に水場が在るので、水を汲みに行くのです。本日はそのつもりでラーメン用の水を用意して来ませんでした。
水場まで約7分でした。直ぐ手前に小さな沢が在り、そこを越えて10m位先が水場です。最初はそれに気付かず、チョロチョロ程度の沢で苦労して水汲みしてしまいました。沢の水も見た目は綺麗ですが、上流に何が在るか分かりません。詰めたばかりのペットボトルを空にして、再度ここで汲み直しました。
長者屋敷の頭までの距離が気になり、最後まで歩いてみました。水場からほんの1分程度でした。
来た道を戻り、先程の分岐からスゲ沢沿いの道を下って行きます。
小持山から続く高わらび尾根が南に見えます。次はたわの尾根分岐のピークからこちらに向かって伸びる尾根を登り、小持山経由で戻るつもりです。手前につんと突き出したピークが958m標高点で、その向かって右側の尾根から取り付くつもりでした。しかし、想定した所に道が無く、スヤマ沢側から適当な所を無理矢理登る事になりました。
10:18 「スゲ沢分岐」と書かれた標柱まで下りました。この右側に山道と入っているんです。右は橋立川ですが、橋は架かっておらず渡渉するしかありません。増水時は通れなくなるでしょう。
対岸に渡ると上流側に道が在りました。下流側にも薄い踏み跡が付いています。先に述べた通り、右(下流側)の尾根に取り付きたかったので踏み跡を辿りましが、数10mで河原状の平坦部は無くなり、踏み跡も消えました。急斜面がそのまま川へ落ちているので、無理して進んだら事故に繋がりそうです。諦めて上流へ向かう事にしました。
スヤマ沢へ少し入った所で道は無くなりました。もしかしたら奥スヤマ沢の方に続いていたのかも知れませんが、目標から外れてしまうので何れにしてもこちらを登らなければなりません。
ある程度遡行する人は居る様で、何となく踏み跡は付いていました。沢登りというと薄暗い谷底を行くイメージでしたが、ここは思ったより明るく光が届きます。
30分ほど遡った所に取り付き易そうな小尾根が在りました。このまま沢を行くと地形図には岩記号も見られるので、沢登り初心者にはどうにも出来ない局面が有るかも知れません。慣れない沢を行くより早いとこ尾根上に出たくなり、ここで方向転換しました。(登ったのは左岸です。写真は下流方向を撮っています。)
尾根上には予想通り尾根道が付いていました。杉檜が植えられた所なら、ある程度大きな尾根には必ず在ると言って良いでしょう。しかし、あまり歩かれた様子は無く、積もった落ち葉でフカフカしています。
沢から比高約100mの、道の無い急斜面を登って来たのでクタクタです。次の一歩が重くてなかなか出ません。20分ほど大休止しました。
11:59 たわの尾根分岐に着きました。脚はまだ回復しておらず、相変わらず重いですが、ここは我慢して先へ進みます。昼食はやっぱり眺めの良い展望岩で摂りたいですから。
12:22 展望岩に着きました。先週は随分通過する人が多かったですが、今回は休憩中誰も来ませんでした。
13:44 出発。
3分ほどで巻き道分岐の道標に着きます。小持山には先週登ったのでもう充分ですから、今日はこの巻き道を行ってみたいと思います。
道はやはり有りませんでした。しかし、何となく踏み跡は続いています。当然平坦に削られておらず谷側へバンクしたままですから、落ち葉や浮き砂に足を取られてヒヤリとする事もしばしば。
出口側は道標も無く、立木に塞がれて巻き道が有る様に見えません。通った事が有る人にしか逆方向は分からないと思います。
14:26 シラジクボまで行くのが面倒なので、直接尾根を下って来ました。道は無いですが、緩い下りなのでそれ程苦労せず歩けます。南無阿弥陀仏碑の所で往路に合流し、ここで再び分かれて駐車場の方へ直接下って行きたいと思います。(4枚目写真と同じ所から逆方向を撮っています) ここは尾根の分岐点にもなっていて、往路の登山道は北側(左)の尾根に付いています。
838m標高点付近で突如巨岩に行く手を阻まれました。登ってみましたが、向こう側は垂直に落ちていて越えられません。巻くなら北側(左)だろうとアタックするも、足掛かりが無くザイル無しでは不可能でした。途方に暮れていると、南側に踏み跡が下っているのが目に付きました。
巻き終わるとすぐさま次の岩です。5m位垂直に突き出た岩の縁をギリギリ通過出来ますが、今度のは異様に長いです。50m位有ったんではないでしょうか。
全ての岩を巻くと尾根が分岐し始めます。この尾根分岐は要注意です。北東に進まないと南側の尾根に引き込まれてしまいます。地形図を見ると等高線が狭まり、岩記号も見られますから、下手をすれば行き場を失って立往生です。
14:57 その後は大した障害も無く順調に下れました。害獣除けの柵が現れると、人里近くまで下りて来たと実感出来てホッとします。
15:07 最後の障害です。道路がU字型に回り込んでいる為、左右どちらにも逃げ場はありません。ギリギリまで尾根を下ってから左へ滑り降りました。
15:13 駐車場まで戻って来ました。満車だった車は数台を残すのみになってます。なお、先日は気付きませんでしたが、一の鳥居を出て少し下った所にトイレが新設されていました。
結局前述のルートは分かりませんでしたが、後にスヤマ沢を最後まで遡った記録を目にしました。どうやら難度は低そうですから、もしかしたらそこを通って下ったのかも知れません。