この日は夕方から夜にかけて雨が降る予報で、日中は時々日が差すものの雲の多い1日でした。こんな日は迂闊に山深い所へ出掛けられません。そこで奥武蔵の低山、それも末端に近い物見山周辺をウロついてみました。黒尾根については前々から興味が有ったので、今回はそれを含む幾つかの尾根を歩き、結果として二往復する様なコース取りになっています。
10:58 に、いつもの駐車場から出発。下山を予定していた日向登山口の様子を見てから、車で何度も通った事のある駒高への舗装路に入りました。地形図にはこの先の小さな集落から破線路が延びているので、先ず手始めにそれを登ってみるのです。
11:20 地形図上の破線路始点に着きました。消防水利の貯水槽が目印です。それらしい道が在りますが、隣近所や畑へ行く為の道みたいに見え、一見山道に思えません。
写真には写っていませんが、この小さな川の対岸は数軒の集落です。
道は集落の外れから山に向かい始めました。ここは元々畑だった様な地形をしてますが、今は使われていない様です。しかし、雑草はきちんと刈られて荒れた感じは受けません。
古い標識にハイキングコースと書かれていました。いったい、いつ頃のものでしょう。少なくとも最近のガイドブックでは見た事無いコースです。時期は兎も角、かつてはハイキングコースとして使われていた道と分かり、一安心しました。
直ぐ先には指導標も見られました。左に駒高、右は日和田山と、下の段にも何か書かれていますが読めません。しかし、方向はまるであべこべです。
取り敢えず日和田山と書かれた方へ登って行きました。初めは苦しい登りでしたが、それもp221までです。以降は緩やかな登りに変わりました。
それにしても、道そのものは非常に状態が良いです。今でもハイキングコースとして現役なのかも知れません。主コースの日和田山〜物見山コースには比ぶべくも有りませんが、この後歩いた黒尾根には遜色無いです。ただ、国土調査と書かれたピンクのリボンが鬱陶しいほど続き、折角の良い雰囲気が台無しでしたけど。
11:48 唯一の案内図が有りました。分岐らしい分岐はここだけだったと思います。来し方を見ると井尻(いじり)となっていました。登り始めの集落の事でしょうか。
左は座禅岩 70m となっています。近いので寄り道してみました。
半分も行かずに突き当たりでした。この先は急激に落ちていて、人の通った様子がありません。これが座禅岩なのでしょうか。もしそうなら、実際は分岐から20〜30mです。テーブル状の平坦地なので、10分ほど休憩して出発しました。
直ぐ先に三角点が在りました。手持ちの地形図は勿論、帰宅後にウォッちずで最新の地形図も見たけど、ここには三角点の表示が有りません。そんな事って有るのでしょうか。
12:08 駒高の立体交差点に出ました。なるほど、ほぼ地形図通りに道が通ってます。座禅岩での休憩を除くと約40分の登りでした。
西に向かい、小瀬名方向に分岐する破線路を続けて登ります。こちらの道は簡易舗装されていました。入口に「この先行き止まり」と書かれ進入を規制していますが、対象は車であり、歩行者が通過する分には何の問題も有りません。
12:28 黒尾根分岐に着きました。今回の主目的はここを歩く事ですから、まだどこの山頂も踏んでませんが下って行きます。
12:36 隣尾根への分岐を経て、少し先に送電線鉄塔が在りました。草が刈られて座り易い為、ここで昼食休憩です。
13:16 出発。
13:49 途中、左に山道と書かれた分岐が1箇所、右に坂下と書かれた分岐が1箇所在り、3つ目の分岐(気付かずに通り過ぎた分岐が無ければ)がここです。登り始めた集落(井尻?)の直ぐ近くで、既に大分下って来ています。尾根の末端は駒高への登り口(写真1枚目)で、その辺りに下り着く事は明らかですから、高麗橋と書かれた右の道へ行ってみました。
古い林道に突き当たりました。重機を持ち込んだり、切り出した木材を搬送する為に、一時的な道を造るのが普通みたいですから、これもそういった道の1つでしょう。用済みになったらこの様に荒れ放題です。
罠が仕掛けてありました。鹿や猪を捕らえる為の物と書かれています。写真だと良く分からないですが、奥の明るい所はもう家の建ち並んだ市原地区なんですけど、こんな所で捕まるものなんでしょうか。
13:58 下り着いたのは高麗橋の直ぐ近くでした。299号線に出て坂下に向かい、もう1度物見山の方へ登って行きます。
14:07 黒尾根の西側には林道が通っています。入り口は舗装されてますから、そんな道を行ったのでは面白くありません。更に西側、隣尾根の末端には階段が在りました。この尾根にも道が付いていそうですから、ここから取り付き、登ってみました。
階段を登って奥に進むと墓が有り、その先で左から道が合流して来ました。近くに別の登り口が在る様です。
道の左右にポツリポツリと墓が点在しています。最後の墓を過ぎた所で、この様な正体不明の穴を見掛けました。動物の巣穴かとも思いましたが、付近には10個位見られますし、わざわざ人の通る道近くに作るのも変です。穴も綺麗に空き過ぎていますから、人の手によるものでしょう。利用目的は分かりませんが。
14:18 分岐が在りました。誰かが取り付けた小さな指導標には、左に「手神社」「スミガマヤツ」と書かれています。神社は武幡横手神社の事でしょうが、スミガマヤツとはどこを指すのでしょう。
一方、右は黒尾根 となっています。林道を越えて、恐らく坂下分岐辺りに着くのではないでしょうか。
14:29 分岐の直ぐ先で送電線鉄塔を越え、数分行くと235.9mの三角点峰でした。こちらの三角点は地形図に載っています。10分休憩して出発。
15:14 二つ目の鉄塔が在ったら終わりは近いです。この鉄塔は昼食休憩した鉄塔の隣で、ここからも直ぐ近くにその鉄塔が見えます。ここでまたも7分ほどの休憩。大分疲労感が出てきました。
こちらの尾根は行方の分からない分岐が多かった様に思います。地形図は必携でしょうね。三角点以外にもp283、p345 にはそれを示す表示が有りました。現在地の特定はし易いと思います。
鉄塔からほんの5分で尾根分岐に着きました。右は黒尾根からこちらへ道が分岐していたのを確認済みなので、どこに行き着くかは分かっています。左へ進みました。
3分ほどで直ぐに別の道と合流しました。ヤマナビ2で現在地を確認。なんと、小瀬名に向かう懐かしい道(越上山の項参照)ではないですか。V字に折り返して行くと見覚えのあるH型分岐に着きました。
このまま直進すると黒尾根分岐、上段に移って折り返すと北向地蔵、逆がヤセオネ峠(宿谷の滝分岐)です。次は物見山から白金平方向に下る道を歩いてみたいと思うので、ヤセオネ峠に向かいます。
15:40 ヤセオネ峠、物見山山頂広場を通過し、物見山の三角点までやって来ました。ここで地形図を眺めながら一服し、この先のルートを頭に叩き込みます。道は日高市と毛呂山町の境に沿って付いている様です。尾根の流れに逆らって90度折れる所が2箇所有り、注意を要します。
15:50 三角点を通り抜け、反対側に下ると舗装路に出ます。右に折り返し、数十メートル先のカーブから舗装路を外れて尾根道に乗り換えます。リボンの目印は有りますが、行き先を示す指導標的な物は何も有りませんでした。
暫く行くと右手に送電線鉄塔が見え始めます。その鉄塔を目指して行けば良い訳ですから、最初の要注意箇所は難なくクリア出来るでしょう。
鉄塔の下まで来ました。大きな桜の木が一際目を引きます。あと一週間早く、そしてこの鉄塔が無ければ綺麗な写真になったんですけどね。
直ぐ先のp300が二つ目の要注意箇所です。ピークから90度左へ折れて行くのです。しかし、実際は全く気にする必要はありませんでした。大きな弧を描いて緩やかに曲がりますから、道なりに行けば自然と通過出来ます。
16:26 突き当りが以前(物見山・宿谷の滝の項参照)富士山から滝沢の滝へ行った時に通った道です。直ぐ前を横切る道はどこへ向かうのか分かりません。奥の道から分岐してここを通っています。何れにしろゴルフ場に突き当たる筈ですから、単なる近道かも知れません。
左へ行って富士山に分岐する所は粕坂(かちさか)と言うそうです。坂名の峠ですから、他の例に漏れず歴史ある峠なのでしょう。
ゴルフ場に突き当たったら右へ。滝沢の滝方向へ向かいます。
あっ、指導標が替わってる… 前に来た時はチャンスン(将軍標)をかたどった物でしたが、一般的な物になっています。まあ、そうでしょうね。前の物は矢印が削られただけで用を成さなくなってましたから。
ここを左へ行くと清流に抜けられるみたいです。ちょっと考えましたが、折角ここまで来たので滝沢の滝へ寄ってみました。
16:41 ところが中々着かない。こんなに遠かったっけ? と、思いましたが、実際には指導標から12分でした。要するにどんな所か知らず期待して行くのと、知った上でついでに立ち寄るのとでは感じる長さが大きく違うのでしょう。
ここも藪を整理してもっとスッキリさせれば、見違える様に変わると思うんですけどね。両脇の垂直な岩壁だって良く見れば中々迫力が有ります。良い雰囲気なのに勿体無い。
橋の分岐まで戻り、清流に向かいます。桜の花びらで一面ピンクに染まってました。遊歩道として造られた道らしく、広い道です。
17:03 一尾根越える感じで舗装路に下り着きました。物見山から下って来る道です。そう、山頂近くで少し歩いたあの道路の続きです(途中、駒高への分岐が在り一本道ではないですが)。
17:10 林道入線の始点です。この道でもう一度高指山まで登り、日向登山口へ下山するつもりでした。しかし、時刻は17時を回り、薄暗くなり始めています。疲れもあるので、またの機会を待つ事にしました。実行していたら、この辺りの道はほぼ全て網羅した事になると思います。ちょっと残念。
駐車場に着いたのは17:29 でした。