先々週は棒ノ折山から都県境尾根を下りましたが、大仁田山から先は外れる事になり少々気になっていました。雪深い奥地の山には登る気になれないので、今の時期こそこういう所を歩く良い機会と思い出掛けてみました。もう1つ気になっていた滝ノ入タブの木と合わせ、黒指を取り囲む様に1周する周遊コースにしています。
9:35 富士浅間神社の奥の院の在る所が間野富士山で、タブの木はそのすぐ近くです。ここから登り始めて尾根伝いに細田へ向かいます。
浅間神社に駐車場は無く路駐するしかないですが、道幅が狭い上にバス通りなので滅多な所に止められません。適当な所を探しながら走っているとゴミ集積場の所で路肩が広くなっていました。今回はそこに止めて出発。
9:47 山頂まで僅かという所になって道が分岐していました。傍らに小さな石祠が祀られていますが、中は空っぽです。神社入口に有った案内図には姥ヶ嶽社となっていました。
右のトラバース道がタブの木へ向かう道です。タブの木からも奥の院へ行けるので、一周して戻る事が出来ます。
2分も歩けばタブの木に着きます。西平の大カヤ(弓立山の項参照)と同じ様に周りが切り開かれてますが、その広さは比較になりません。写真だと大きさが伝わらないですが、私のカメラ(NEX-5 18-55)ではワイド端でも収まり切らない枝の張りです。合成して繋げました。
急斜面の切り開きなので景色も良いです。年末に登った小高谷山が正面に、その奥には大高谷山や柏木山も見えました。
9:59 反対側へ通り抜けて一登りすれば奥の院です。ここからは要所に指導標が立つので細田を目指せば問題有りません。指導標に従い左の尾根道へ。
10:20 車道に突き当たりました。地図を見ると山王峠の南から変電所へと通じる道です。変電所には数台の車が止まっていたので、これが通勤路なのでしょう。
指導標はここで車道を行く様に左を指してます。しかし、そうするとこの先の366m峰は巻く事になってしまいます。この辺りは「山と高原地図」にも載ってない道なので、もし名の有る山だとしても地図に記載されていないかも知れません。そう考えたら巻いてしまうのは勿体無い気がして車道を行く気になれませんでした。幸い対面に微かな踏み跡が見えたので、そちらを辿る事にしました。
踏み跡はすぐに掻き消えてしまいました。鹿道か間伐する為に踏み入った跡だった様です。しかし、たかだか30〜40mの登りです。登山開始から間もないのでまだまだ元気ですから、道無き斜面を登って行きました。稜線に達すると普通の作業道が通っていましたが、366m峰はやはり無名ピークの様で何も無い山頂でした。
地形図を見ると、そのまま作業道を行けば車道に合流出来そうです。そして実際その通りでしたが、車道が見えた所でどういう訳かぶっつり途切れてしまいました。残り僅かな距離ですが、イバラの藪が酷くて通過に手間取ります。
10:38 変電所の門で車道が突き当たりになり、そこから塀に沿って進みます。ここには指導標が有りませんでしたが、反対側は崖になっているので他に進み様が無く、必要無いと言えば必要無いです。しかし、私は一瞬ここで戸惑ったので有った方が親切と言えるでしょう。
少し進むと急な階段が分岐してました。行き先は何も示してませんが、この辺りから山王峠に向かう道が在る筈なので、多分これがそうなのでしょう。
10:48 変電所をぐるっと半周した所に小さな広場が在ります。石を代用した椅子とテーブルが置かれ、一息入れるのに丁度良いです。
15分ほど休憩して出発。道はここでV字に折り返し、急な斜面を登って行きます。
11:05 原市場に向けて分岐が在りました。地形図のp394(現・変電所)とp408の中間のピークを登る途中です。大山というらしいですが山頂に表示が無く、ネットで調べても僅か2件の記載が有るだけです。確信が持てないので上の図には書いてません。
少し先でもう1度原市場に分岐しますので、この道はそちらに移る為のものと思います。
11:36 四十八曲峠を過ぎ、黒指への分岐に差し掛かると古い標柱が立っています。大正十三年と彫られているので90年近く前のものです。原市場、名栗、成木といった馴染みの有る名が見られますが、それぞれの下には村と付いています。名栗村が飯能市に編入されたのは最近の事ですから覚えていますが、原市場村というのは初めて目にしました。
黒指分岐を過ぎるとすぐに愛宕山の登りが始まります。この前は巻いてしまったので今回は登りました。恐らく全国に1番多いと思われる名の山は、やっぱり平凡でどこにでも在りそうな山でした。
11:45 いぼとり地蔵に着きました。今回は大仁田山には登らず細田集落へ向かいます。
11:57 のどかな集落を抜けると、右にもう一度大仁田山への分岐、続いて写真の沢を渡る小さな橋が見えて来ます。地形図にはここから成木尾根に向かって1本の道が書き入れられていますが、実際にもそれらしい道が伸びていました。しかしこれ、地形図の道と方向が違うんです。写真正面の暗がりに涸れ沢が在るんですが、書き込まれた道はそこに沿って伸びています。実際にはそんな道は存在しません。
方向違いに気付かず道を進むと、二俣の沢で途切れてしまいました。そこでGPSナビを見て初めて違う方向に進んでいると気付いたのです。しかしもう半分位進んでいる事だし、戻るのも面倒なのでそのまま突き進みました。何とか稜線に辿り着くと大仁田山と大峰山の間でした。近くに腰を下ろして昼食休憩。13:11 出発。大峰山への登りから外れて左のトラバース道に入ります。ここから先が成木尾根です。
13:20 1つピークを越えると送電線鉄塔が在りました。地形図の道が実際に在ればここに登り着いていた筈です。よく思い出してみたら先程の登りで途中に巡視路が分岐していた気がします。少し経路は変わりますが、直接ここに登る事も出来るみたいです。
遠くに見える紅白の鉄塔は変電所ですね。いつの間にか随分歩いてます。
13:32 水口(みずのくち)峠に着きました。地元では「水のもと」と呼んでいるそうで、ここまでに見られた私設の道標は全て水のもとでした。
地形図にはここにも乗っ越す道が書かれています。実際にも道は存在しますが、高土戸(たかっと)方向は兎も角、細田方向の道は酷いものでした。少なくとも峠側からは入る気になれない荒れた藪道です。
13:47 3つほど小峰を越えると黄楊(つげのき)峠です。「栂(つが)のもと」とも言うみたいですが、黄楊と栂は全く違う植物なのに何故こんな別名が付いたんでしょうか。
14:20 全く意識しないまま道なりに歩いていたらp349(鉄塔奥のピーク)に続く尾根に乗っていました。これが都県境なので方角的に間違いではないですが、成木尾根は手前で右に分かれています。あちらは採石場で分断され尾根通しに歩けないそうですけど、その手前に間野へ下る沢道が在る筈なんです。一息入れて地形図を眺め検討しました。戻るよりp349手前の鞍部から下りた方が早そうです。
鞍部から下の沢まで緩斜面が続いています。シダが茂って夏場なら蛇が出そうですが、この時期なら大丈夫でしょう。
無事沢道に下り立ちました。後はこのまま下っていけば間野に着きます。
少し行くと林道に変わります。この辺りの都県境界線は不自然に埼玉側へ喰い込んでいて、この沢を横切って再び成木尾根に戻っていくのですが、その林道に変わる所が境界なのだと思います。道路は地元の自治体が造るものですから。
14:53 集落へ出る直前でY字路になっていました。右へ行けば再び成木尾根へ復帰出来るかも知れません。間野集落は左です。
車に到着したのは15時を少し回った頃でした。
車に乗り込み一旦黒指へ向かいました。ここの山祇神社(やまづみじんじゃ)に巨木が在るんです。幹周は環境庁調べで6.1m、樹高は48mの大スギです。幹が楕円形なので、神社側から見ると数値以上の木に見えます。