大机山

大机山(三角山 623m)

横瀬村城跡之図

新編武蔵風土記稿より「横瀬村城跡之図」です。本当はもっと大きな絵なんですが、縮小すると字が読めなくなるので必要部分だけ切り出しました。何が言いたいかというと、二子山の山行記で三角山としていた山が、大机山と記されているという事です。更に、近くには「古ミタケ」なる文字も見えます。気になったので調べてみました。

「大机山」で検索すると全然知らない場所の山がヒット。どうやら兵庫県にも同名の山が在るみたいです。「横瀬町」を加えて絞り込み…出ました。わらわらとヒットします。大部分が城跡マニアさんのページでした。


現在の様子

どうやらアチラさんでは大机山と呼ぶのが一般的らしい。登山者側とはっきり分かれるのが面白いですね。江戸時代には大机山と呼ばれていたのが確実なのに、なぜ三角山なんてありふれた名に取って替わられたのか。山と高原地図の影響が窺い知れます。兎も角、それによって図中の古ミタケが古御嶽城址である事が分かりました。これは…是非行って見ねば。


大机山登山図

そんな訳で今回の山行となりました。毎度お世話になっている西善寺からスタートし、古御嶽城址を経て大机山(三角山)に登ります。帰りは過去2回通っているいつものコースで下りました。


藪

12:45 西善寺を出発。直ぐ先の十字路を右に曲がります。

12:49 さて、古御嶽城址へ行く前に1つ気になった所を片付けたいと思います。城跡之図を見ると「机ノ平」と書かれた所が在りますね。それを380m圏(上図で根古屋の「屋」辺り)と考え、立ち寄ることにしました。写真の3号鉄塔巡視路を入って行きます。

直線的な道

3号鉄塔には5分も掛からず着きました。傍らに小さな祠が在ります。入口の鳥居はこれの為でしょうか。もしかしたら、昔はもっと立派な神社が在ったのかも知れません。先へ進みます。

峠状の所

暫く進むと岩山が立ちはだかりました。この写真の印象よりずっと高いです。これを登るのは大変だと思いながら踏み出した時、右へ巻いているのに気付きました。これを使わない手はありません。

御嶽山

中ほどまで進むと折り返し、稜線に戻されました。ここにも祠が在ります。ここから先は岩の斜面を登らなければなりませんが、もう残りは僅かです。

松郷峠

13:06 登り着くとそこは平坦地ではありませんでした。ここが岩のピーク、下って登り返すと土のピーク、もう一度下ると次は尾根の長い登りです。とても「平」と名の付く場所に思えません。

採石場

13:22 3号鉄塔に戻りました。結局のところ、机ノ平として考えられるのはここしか在りません。となると、岩山の方は天王です。天王とは天王神社、或いは、それを祀った天王山でしょう。

南に4号鉄塔が見えます。次はあそこへ向かいます。

丁字路

途中、神社が二つ並んでました。左が八坂神社、右が猿田彦神社です。Wikiで調べたら、この八坂神社も天王神社と共に祇園信仰の神社でした。天王神社の天王とは牛頭天王の事で、八坂神社の祭神・素戔嗚尊と共に、薬師如来の権現とされています。

小屋

13:31 秩父石灰工場の脇に巡視路入口が在ります。見ての通り急階段を登らなければなりません。しかしこの階段、段差が少なくて脚にあまり負担が掛かりません。全国のハイキングコース等は見習って欲しいものです。

都幾山

13:37 4号鉄塔を通過。

Y字路

鉄塔の所で一旦緩みますが、再び急登が始まります。ただ、尾根はすっきりしていて歩き易いです。

冠岩

右から尾根を1つ合わせると、間も無く古御嶽城址への登りです。写真の石垣辺りを見れば分かる通り、かつてはここも道が整備されていたんだと思います。しかし今は忘れ去られた様な存在。道も壊滅状態です。でもよーく見ると在るんです。いかにも道だったらしい桟道状の岩が。幅は狭いですけど。

金岳

14:00 平坦地に出ました。ここが古御嶽城址です。横瀬町の公式観光ウエブサイト「歩楽〜里(ぶら〜り)よこぜ」によると、本郭と二の郭が在るそうなので、ここは二の郭でしょう。廃城後は山岳信仰の対象とされた様で、辺りには無数の石碑が林立し、あらゆる神様のオンパレードです。

道路

14:03 堀切を1つ越え、奥に進むと横瀬町の標柱が建ってました。ここが本郭跡でしょう。築城年は不明ですが、天正18年(1590年)、秀吉の小田原征伐の折、鉢形城落城と共に開城し、その後廃城となったそうです。420年前の城跡という事ですね。

大きな岩

大机山に向かいます。地形図を見ると古御嶽城址手前の登りと変わらない筈ですが、向こうの地面が堅く締まっていたのに対し、こちらは脆いので登り難いです。

巡視路

14:32 大机山に到着。

14:42 下山開始。

鉄塔

ちょっと下ると尾根分岐です。左から登って来ましたが、帰りは直進と言うか、尾根が行き止まりなんで右に巻きます。

以降は1度紹介しているんで省きます。2010年8月の二子山をご覧下さい。

士峰山

西善寺到着は15:23 でした。駐車料代わりに賽銭を入れ、ついでに境内を見物。これは六地蔵とこみねもみじです。

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