2011年11月中旬、奥多摩の浅間嶺へ行って来ました。奥多摩の山は数多く登って来ましたが、何れも北側の青梅街道を中心とした山域で、主に奥多摩町に属する山でした。奥多摩三山のみが檜原村との境界に在り、その内、大岳山と三頭山は檜原村から登ってますが、まあ、ほぼ未踏の地と言って良いでしょう。
10:17 大岳山の時と同様、払沢の滝(ほっさわのたき)駐車場から出発。今回は滝もルートに組み込みました。トイレ前の通路から指導標に従って払沢の滝へ向かいます。
約10分で滝に到着です。4段の滝は全段で合計60mだそうですが、下から見ると2段しか見えません。1段目の落差は26mです。
この滝への道は袋小路で、本来はここで行き止まりです。浅間嶺に登る事を考えた時、何とかここから浅間嶺に行けないかと色々思案しました。帰りはハイキングコースで良いとして、往きも同じ道のピストンではあまりにもつまらないですから。そんな時ここから払沢ノ峰へ登った記録を見付け、「これしかない!」と思いました。
10:32 滝の右岸から急斜面を登って行きます。道はおろか、踏み跡さえ見られません。観光客に注目されてちょっと恥ずかしかったですが、次から次へとやって来るのでいつになっても人が捌ける事は無く、こっそり登るのは無理です。
最初はズルズルの土斜面で一苦労でしたが、滝を見下ろす位まで登ると岩が現れ、地面も硬くなって登り易くなります。リボンの目印が結ばれた木も現れ始め、それなりに通る人がいるんだと分かり安心しました。
11:08 登るにつれ道がはっきりして来ました。写真は550m圏の小ピークで、地形図にも明確にその存在が現れている所です。ご覧の様に確りとした巻き道が付いてます。
鞍部には建物の残骸が有りました。営林小屋にしては小さすぎる様なので休憩小屋でしょう。
鞍部を過ぎると辺りは植林地に変わります。杉落ち葉や打ち枝で段々ルートがはっきりしなくなり、幾らも進まない内に見失ってしまいました。ただ、尾根の形ははっきりしているので迷う事は有りません。徐々に傾斜が増していき、680m等高線の辺りで登るのが困難になりました。作業の為に付いたのか、所々に踏み跡が横に通っていたので、そのうちの1つを辿って隣尾根にシフトすると道が有りました。
緩やかな登りに変わると辺りは自然林で、明るい尾根道になりました。杉落ち葉というのは埃を抱え込み易いらしく、歩くと埃が立って嫌なんですが、自然林になると途端に清々しい空気に変わります。
12:12 払沢ノ峰(858m)に到着。滝から1時間40分も掛かりました。予想以上に厳しい登りです。丁度良い時間なので昼食休憩にしました。
と、その前に1つやる事があります。ここには山名板が無い様でしたので作って来ました。マスキングに失敗して出来は悪いですが、何も無いよりはマシでしょう。指導標の下に括り付けて完了。木だと成長の妨げになるので所有者に外される可能性が有りますから。自己満足ですが、登った証に爪痕を残すのは嬉しいもんです。クセになりそうです。
12:56 出発。ここからは一般登山道になるので道は良いです。
所々にモミジが有り、鮮やかに色付いて綺麗でした。光を透過させると一層紅いです。
13:25 松生山(まつばえやま)に到着。三角点峰です。周囲の木が切られて眺めが良かったです。北に御前山と大岳山が大きく聳えてます。
ここの手作り山名板は文字が浮き彫りになっていて中々凝ってます。
富士山も見えました。午前中でないとまともな逆光で綺麗に写りません。
松生山から先は更に道が広くなります。浅間嶺から往復して戻る人が多い為でしょう。スズタケも広く刈り払われ、手入れが行き届いていました。
13:45 入沢山を下った所で道が分岐しています。入沢山は何も無い所なので、気付かずに通過していました。
13:52 浅間嶺の標柱が立ってますが、ここは山頂ではありません。上段写真の指導標に展望台と書かれているのがここです。奥に写っているのが903mピークですが、大多数の人は気付かずここで引き返してしまうみたいです。
展望台から一旦下ると、鞍部に大きな東屋の建つ休憩所が在ります。北側が大きく開け、大岳山が正面に見えました。ここにはトイレも有ります。
トイレの横を登って行くと、ピークの手前に祠が在りました。浅間嶺って言う位だからやっぱり浅間神社なんでしょうね。この小さな祠から浅間嶺の名が付き、ひいては浅間尾根という尾根名にまでなったのだから、その影響力は大きいです。
14:06 ここが903mピークです。分かっていた事ですが、やはり何も無いですね。せめて山名板ぐらい欲しかった。
14:24 来た道を戻り、入沢山下の指導標に従って時坂峠(とっさかとうげ)方向へ。少し下ると十字路が在ります。後になって分かった事ですが、ここを左に行くと休憩所に行けるみたいです。展望台の北を通る巻き道になってるんです。大したロスではないですが、それを使えばもう少し早く通過できたでしょう。
途中で階段の道が合流して来ました。どうも地形図の点線と一致する様なので旧道みたいです。崩落か何かがあって付け替えられたのでしょう。
14:56 峠の茶屋から道が舗装路になります。つまり、ここまでなら車で来れるという事です。茶屋の前が展望台みたいになっていて、御前山と大岳山が道中で1番良く見えました。苦労して登った山頂より良いなんて皮肉なもんです。
暫く下ると道が二手に分かれます。直進する道は払沢の滝駐車場まで下ってますが、左へ行って時坂峠から下った方が近道です。
15:10 道祖神やお地蔵さんの並んだ所が時坂峠です。階段を下りて登山道へ。
怖い橋が在りました。体重が掛かるとしなるので恐る恐る渡ります。
4〜5分で再び舗装路に出ます。先程分かれたもう一方の道です。道路を突っ切り、公衆トイレ前からショートカット道になります。この先は舗装路が開通する前から使われていた生活道みたいで、家と家を結ぶ小径は妙に懐かしく感じました。