川苔山

川苔山(1363.3m)/蕎麦粒山(1472.9m)/笙ノ岩山(1254.8m)

川苔山登山図

2011年4月上旬、今年2度目の川苔山に行きました。前回は赤杭尾根からという初回としては珍しいコースを使いましたが、今回は恐らく最も利用者の多い川乗谷コースです。最初の目的は鳥屋戸尾根(とやどおね)を歩いてみたかったという事でしたが、それならこちらも1度見たいと思っていた百尋ノ滝(ひゃくひろのたき)も絡めてと考え、この様な経路になりました。


登山口

この場所は奥多摩通いをする様になってからずっと気になっていた所です。車1台がぎりぎり止められるスペースが有り、大抵は車が納まっていました。こんな所に止めて目的は何だろうと不思議に思いましたが、良く見れば落石防護ネットの隙間に階段が設けてあり、なるほど、と納得したものです。この階段の先がどうなっているのか探るのも目的の1つです。

6:20 出発。この階段を登って行きたいところですが、そうすると下山後に舗装路を長々と歩く事になってしまいます。それはちょっと勘弁願いたいので、まず初めに百尋ノ滝を目指しました。

林道入口

6:28 川乗橋の林道入口です。このゲートは常時閉まっていて車は入れません。右手に川乗橋が在り、対岸側に車1台分の駐車スペースが有るのでここからスタートという方法も有ります。当然こんな時刻なので空いてましたが、初志貫徹と言う事で階段の方にしました。

鳥屋戸尾根登山口

少し歩くとモノレールが設置してあります。ここが鳥屋戸尾根への取り付きで、川乗橋に駐車したのならここに下りて来るのが普通です。

実際ネットで探してみても、ここから登る或いはここに下る記事ばかりで、階段の所を使った記事は1つも有りませんでした。そんな滅多に使われない所を歩くのですから、楽しみと同時にやや不安でもあります。まあ、ほんの短い区間なので迷っても何とか成るだろうと言う、根拠の無い自信は有りましたが。

細倉橋

7:09 ようやく細倉橋に着きました。駐車場所から50分、川乗橋からだと40分の長い長い舗装路歩きでした。ここでやっと開放されます。

登山道入口に真新しいトイレらしき物が設置してありました。しかし、時間が早い為か、或いはまだ使えないのか分かりませんが、鍵が掛かっていて開きません。

登山道

1番使われているコースだけあってよく整備されています。沢に架かる橋は他で見ないタイプで、基礎部分が鉄で木の部分だけ交換出来る様です。この後、何度かこの沢を渡り返しながら上流の百尋ノ滝まで詰めて行きます。

百尋ノ滝1

7:50 百尋ノ滝が見えました。登山道は右の階段を登って続くのですが、滝へ寄り道して行きます。

百尋ノ滝2

落差約30mの立派な滝です。ガイドブックに30mと書いてあったのですが、もっと有りそうに感じます。

滝壺

滝壺まで近付く事が出来ます。この日、天気予報の予想最高気温は15℃でしたが、早朝はまだ寒く最低気温の−1℃からそれ程上がってない感じです。

15分程居ましたが、滝の近くでは余計に寒く感じ 8:06 切り上げて出発する事にしました。

足毛岩分岐

8:39 ここはどちらへ行っても川苔山へ着きます。東の肩経由の方が若干距離が短い様ですが、一筆書きの様に同じ所を踏まずに済ましたいので直進して足毛岩の肩へ向かいます。

足毛岩の肩

8:59 足毛岩の肩です。ここまでトラバース道でしたがここからは急登の連続です。直進で更にトラバース道は続き、ウスバ乗越を経て大ダワに通じていますが、崩壊箇所が有る為進入禁止になっていました。

山頂近く

山頂近くで来た道を振り返って。こんな天気は期待して無かったんですが、予想外にすっきり澄み渡ってます。

川苔山

9:31 川苔山に到着です。撮影していると東側から単独行者がやって来ました。鳩ノ巣からだそうです。そちらも3時間位掛かりますから、同じ頃に出発したのでしょう。

西側の眺望

西側の眺望は相変わらず素晴らしいです。雲取山の左に見えるのは飛龍山(大洞山)ですが、あの辺の山域に踏み入るのはまだ先になりそうです。むしろ更に奥の国師ヶ岳や金峰山の方が敷居が低いですね。目の前の鳥屋戸尾根は奥との対比による錯覚なのか、もの凄く近くに感じます。帰りに向こうからこちらを眺めた時は倍位に思えました。雲取山との同線上に位置するピークが笙ノ岩山です。9:50 日向沢ノ峰に向け出発。


曲ヶ谷北峰からの下り

9:59 曲ヶ谷北峰からの下りです。地形図を見て想像は付いていましたが、尾根を切り落とされた様な地形で日向沢ノ峰まで大変な登りが待ち構えています。

この下りと足毛岩分岐から足毛岩の肩まで、そして帰りの鳥屋戸尾根でも幾つかのピーク北側で雪が残っていて、通過に苦労しました。地面が硬いと解け難いらしく、丁度道の部分だけ見事に残っています。カチカチに凍っていて全くグリップしませんでした。

林道

日向沢ノ峰の南には林道が通っていました。地形図ではこんな所まで伸びていないのですが、細倉橋で分かれたあの道が延長されとうとうここまで…

後に調べてみると、この先の踊平にトンネルが通され道は更に続いているそうです。そして、現在も延長工事中で、近い将来には昨年三ツドッケに登った時歩いたあの林道に繋がり、有馬峠まで開通する事になります。

踊平

10:26 踊平です。こうして見てもこの下をトンネルが通っているなんて想像が付きません。十字路の指導標には一方に林道と書かれていて、どうやらトンネル近くに通じている様です。

名前から勝手に(盆踊りの様な)踊りが踊れる程広い所だと想像していたのですが、ごく普通の鞍部でした。

巻き道分岐

10:33 更にもう1つ先の鞍部では巻き道が分岐していました。地形図では桂谷ノ頭と蕎麦粒山の鞍部から始まっていますが、あちらに道は在りません。ここから蕎麦粒山の向こう、仙元峠との鞍部まで続く長い巻き道の始点です。

ここから日向沢ノ峰への厳しい登りが始まるのですが、朝食が4時頃だったので腹ペコになり、昼食休憩を摂る事にしました。平坦地で日当たりも良く、左右の木が防風林代わりになり風も来ない、絶好の場所です。

都県境の道は去年歩いているので、巻き道を行けば良かったと今になって悔やんでいます。今更言ってもしょうがないですが、どんな道か歩いてみたかった。11:30 出発。

日向沢ノ峰

11:47 日向沢ノ峰へ着きました。前回が昨年の3月末だったので1年振りです。あの時はここから見える山の殆んどが未踏地で地図を見ながらでなければ山座同定出来ませんでしたが、今は登った山ばかりで一目で分かります。1年で随分登ったものです。

桂谷ノ頭

12:09 桂谷ノ頭は細長い頂部に幾つかの瘤が並び、どこが山頂かはっきりしません。手作り山名板が掛かっていた事もあった様ですが、今は朽ちてしまったらしくそれも見当たりませんでした。

一番西のピーク(左下写真)が最も高く感じますが、自信無いです。

蕎麦粒山への登

蕎麦粒山の登りは相変わらず強烈です。写真だと分かり難いですが、下を覗き込むような下りから登り返しています。しかし、確かに厳しい登りではありますが、キツさで言ったら足毛岩の肩から川苔山頂までの方が大変でした。なにしろここと変わらぬ登りが倍は続くのですから。

蕎麦粒山

12:42 山頂に到着。蕎麦粒山の名は山の形もそうですが、この岩が蕎麦の実に似ている為という説も有ります。

山頂からの眺望

広い防火帯がここまで続いているので非常に開放的な山頂です。越えて来た山々が一望出来、充足感に満たされます。

まだ昼過ぎですが、後は下るだけです。時間に余裕が有ると気持ちにも余裕が生まれ、山歩きが一層楽しくなりますね。早朝スタートは他にも渋滞に遭わない、午前中の澄んだ空気を長く味わえる等良い事ばかりです。唯一の欠点は起きるのが大変という事。

巻き道との交差

山頂から鳥屋戸尾根方向へは道が無く、踏み跡さえはっきりしません。それでも構わず進むとすぐに枯れたスズタケの藪に踏み跡が現れます。4〜5分で小ピークの登り返しが在り、その手前で巻き道と交差しますが、その頃には道もはっきりしてきます。

分岐

小ピークを越えた所に在るこの分岐は要注意です。気を付けていないと流れで間違い無く直進に近い左へ行ってしまいます。右は急下りなので尾根を外れて行く様な気になる為余計です。

地形図だとこの先で巻き道に交差する事になってますが、実際はもう通り過ぎてますから間違えると桂谷まで下ってしまいます。下には林道が通ってますから最悪の事態にはならないでしょうが、待ち受けているのは延々と続く数時間に及ぶ林道歩きです。

塩地ノ頭

塩地ノ頭辺りでは東斜面に松が植えられています。松林は美しいですね。何か懐かしい様な気分にさせます。杉なんかどうせコストに見合わず放って置かれるんだから、自然林に戻すかこういう美しい木を植えるべきです。奥多摩や秩父の植林地はろくに間伐もしないもんだから、どこも薄暗くて気味が悪いです。

笙ノ岩山

13:53 笙ノ岩山(しょうのいわやま)に着きました。三角点峰ですが、人の余り来ない静かな山頂です。ベンチが無いので手頃な石に座ろうとしたら、動物の糞が有りました。この様に目立つ所へしているのはサルの仕業らしいです。テリトリーの主張ですね。

自然林の道

少しの間植樹林と自然林の間を行くと、そのうち両側が自然林に変わります。その辺りでは写真の様に幹周り3mを超えてそうな大木が何本か残っていて、なかなか良い雰囲気です。未だにツガとモミの見分けが付かないのではっきり言えませんが、多分モミだと思います。

支尾根

尾根が南東の聖滝方向へ自然に流れているのに対し、道はp917に分岐する尾根に付いてます。その部分では幾らか分かり難い所も有りますが、手作りの道標やテープの目印により迷う事は無いと思います。蕎麦粒山南の分岐と、この尾根分岐以外は特に分かり難い所は無く、ずっとはっきりした道が続いていました。

問題はp917の先で更に階段の方へ分岐する尾根です。杉林に分岐点が在るので見通しが利かず、どこで分岐が始まるのか全く分かりません。枝打ちされた物がそのまま下に放置されているので踏み跡も見えません。地形図を見ながら探し当てるしかないんです。幸い隣尾根のp925が良く見えるのでこちらのp917は特定し易いですから、そこから追うだけで済みます。

支尾根に入ってしまえば後は尾根筋がはっきりしているので迷う心配は有りません。始めは緩やかに下っていた尾根が段々角度を増すと岩っぽくなっていきます。

尾根の末端

左右が切れ落ちた細尾根で進行方向も急激な下りが続きます。足元がガレて歩き難い為疲れますが、気を抜いて歩くことは出来ません。つまずいて落とした石がどこまでも転がり、谷間に消えていきます。人間も同じ事でしょう。

尾根の末端に着くと地形図通り2つに分かれていました。左に行くと階段です。

15:14 駐車した車が見えて来ました。達成感より安堵感でいっぱいです。

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