懸案だった山伏峠から伊豆ヶ岳に至る道、これをクリアしようと思い山行計画を立てました。下りはどうしようかと考えた時、思い付いたのが旧正丸峠です。その瞬間、甲仁田山から登り始めて旧正丸峠へ1周するルートが閃きました。しかし、計画の甘さと積雪量、更に脚攣りが原因となって足を引っ張り、今回も完遂出来ずに終わりました。
1日空けて翌々日、気持ちが収まらないので続きを歩きました。何だか複雑な心境ですが、一応これで納得する事にしときます。
8:38 地形図を見て、等高線の思い切り開いた所から登り始めました。最初の10m位は急ですが、これは恐らく道路を造る時に削った為でしょう。その部分を越えてしまえば、この様にゆるゆると登って行ける傾斜です。
尾根に乗りました。ちょうど前回(2010年7月)の裏側から登った感じです。雪には蹄の足跡が続くだけで、人間の物は有りませんでした。
地形図の破線路へ合流する辺りで厳しい登りに変わります。雪で滑って思う様に登れませんでした。ふと見ると隣尾根へ踏み跡が続いているじゃないですか。勿論そちらに移りました。
9:51 甲仁田山に到着しました。二年半振りですか。懐かしいですね。次なる二子山が間近に見えてます。コンクリートの吹き付け処理された細尾根を下り、日当たりの良い崖で脚を下ろして休憩。ちょっと怖いですが贅沢は言えません。雪の積もっていない所は殆んど無いんです。
10:08 出発。日差しの心地良さにのんびりし過ぎました。
鞍部まで下ると林道が最大接近します。ここにはプレハブ小屋が在ったのですが、取り壊されてました。
10:32 二子山に到着です。珍しく誰も居ない山頂でした。
北風が強いので空気が澄んでます。八ヶ岳が見えました。
浅間山も見えます。手前右側は御荷鉾山です。左の尖がりは赤久縄山でしょうか。
二子山から先は明らかに雪の量が違ってました。下りは何とか凌いだんですが、ちょっとした登りに変わった所でアイゼンを付けました。地面が凍っているため雪が体重を支えられず、表層雪崩みたいに崩れて登れないんです。
11:28 焼山です。ここにはベンチが在った筈ですが見当たりません。よく見たら雪に埋もれてました。座る所が無いので仕方なく通過です。それにしても、予想外に雪が厚く積もってます。足を高く上げて歩かなければならないので疲弊が激しい。
焼山を下ると林道が真横に近付くので、休憩地を探してそちらへ移りました。しかし、どこまで行っても雪ばかりで座れそうな所が在りません。そうこうしているうちに林道工事の現場に鉢合わせしました。尾根が切られて切り通しになってます。武甲山一の鳥居から蔦岩山中腹まで林道が来ていたので、それに繋がるのではないでしょうか。
直ぐ先に新しく作られた階段で稜線に復帰し、少し先の大岩の陰で11:48 から12:39 まで昼食休憩にしました。
蔦岩山に登る途中、またしても足攣りが…予定したコースの半分も行ってないので焦ります。慣れない雪道とは言え、なぜこうも簡単に攣ってしまうのか。
13:24 蔦岩山に到着。騙し騙し登りましたが、ここらで脚を休めないと痛めそうです。10分ほど休憩して立ち上がろうとした時、再び脚攣り。マッサージしながら結局合計で15分ほどの休憩になってしまいました。
14:09 武川岳に到着です。アイゼンが鬱陶しくなって、ここで外してしまいました。余程の急斜面が無ければ何とかなるでしょう。
14:15 出発。6本爪アイゼンなので大した重さではない筈ですが、やはり外すと全然違います。足が軽い軽い。
14:27 前武川岳を通過。直進して行きます。ここから先を歩くのは初めてです。
15:07 突然車道に尾根を切られます。道路から20m位の高さでしょうか。かつての山伏峠はここだったに違いありませんが、今はこの車道を越えるため、100m位北に移動してます。
15:10 ここが現在の山伏峠です。矢印の様に進んで伊豆ヶ岳側に続きますが、とうとう15時を過ぎてしまいました。日没までに車へ戻れる自信が有りません。断念してこのまま車道を戻る事にしました。
翌々日の建国記念日に、続きを登ろうと再びやって参りました。同じ場所に車を止め11:54 スタート。12:34 に山伏峠へ着きましたから、登り坂なのに40分しか掛かっていません。先日は下りにも拘らず50分以上掛かりましたから驚きです。歩き始めの元気が良い時はスピードが違います。
12:36 武川岳側と同様に道路沿いを進みます。本来の尾根に乗ると鳥居が在りました。これを潜って行きます。
少し登るとやはり大分雪が残っていました。しかし、階段が多いのでアイゼンの出番は無しです。普段は嫌な階段ですが、こんな時ばかりは助かります。
山頂が近付くにつれ雪は無くなりました。明るい自然林なので何日も残らないんです。南に古御岳が良く見えます。あれを見下ろす位にならないと山頂には着きません。まだ数十m有りそうです。
13:11 伊豆ヶ岳に着きました。うーん、今日の眺望はイマイチでしょうか。特に平野側がどんより霞んでます。ブランチを済ませて来たのでそれ程腹は減ってませんが、楽しみの1つなのでカップラーメンの昼食を。
13:50 出発。新女坂を下っていて尻餅を搗きそうになりました。北斜面は凍っています。慌ててアイゼンを装着。
14:15 小高山を通過。甲仁田山(右)と二子山(雄岳 左)が良く見えます。これからあの右端の麓まで戻る訳です。
14:29 正丸峠です。右に正丸駅への道が下ってます。この茶店、商売の方は大丈夫かいなと思ってましたが、表に2台の車が止まってました。店からは何やら旨そうな匂いが漂ってます。カップラーメンより、こっちの方が良かったかも (>△<)
14:52 正丸山を通過。正丸峠からここまでは残雪ほぼゼロです。よっぽどアイゼンを外そうかと思いましたが、川越(かんぜ)山からの下りが心配なので我慢しました。
14:57 川越山に着きました。最後の山なので休憩にします。と言っても座る場所がないので、リュックを指導標に引っ掛けて立ったままタバコを吹かすだけです。
15:06 出発。90度右に折れて行きます。
15:12 旧正丸峠に到着。思った通りとんでもない雪でした。アイゼン無しで下るのは危険かも知れません。
さて、ここからがちょっと問題です。秩父側に下る人は殆んど居ないので、ルートが分かるか心配でした。覗き込むと二人分位の足跡が続いてます。やれやれ、これで一安心です。
ところが、少し下った所で足跡は消えてしまいました。どうやら足跡の主は諦めて引き返したみたいです。こうなれば自力でルートを探るしかありません。
それらしい所を勘で歩きましたが、本来沢沿いの道な筈なのに、こちらは高さを保ったままで沢との高低差は開く一方です。どこかでルートを修正しなければなりません。
これ以上差が開いたらヤバいという所で雪の斜面を滑り下りました。雪が緩衝材になるので、こんな時には逆に助かります。
下り着いた所に指導標が在りました。旧正丸峠は逆方向を指してます。左岸ではなく右岸に道が有ったんですね。
15:32 林道南沢線の終点です。ここから林道に変わります。
15:45 追分の道標まで来ました。道標の他にも大木の根本にお地蔵様みたいのがゴロゴロしています。ここでV字に左へ折れ、旧街道を山伏峠方向に行きます。
道標には左(下ってきた道)に子の権現・江戸、右(これから行く道)に名栗・八王子と書かれているそうです。昔の街道は横瀬川沿いでなく、ここを通っていたんですね。初花から松枝の間に古い集落が無いのも納得です。
15:53 切り通しで尾根を越えます。松枝の座禅草自生地辺りまで道は続いているそうですが、今回この道を行くのはここ迄です。
切り通しから谷間を見下ろすと小さな沢が見えます。道は無いですが、この流れに沿って横瀬川まで行きます。
16:01 横瀬川に出ました。飛び石で対岸へ渡り車に戻ります。結局、山伏峠からここまで休憩時間を除いても2時間半でしたから、先日の判断は正しかったのです。
改めて登山地図を見たら、二子山から旧正丸峠までのコースタイムが約6時間でした。それに二子山までの登り100分、旧正丸峠からの下り50分を加えると、8時間半にもなるコースです。休憩時間を含めれば10時間は見なければなりません。出発時間からして既に遅すぎました。