滝入ノ頭

滝入ノ頭(1070.9m)

滝入ノ頭登山図

2011年8月下旬、白岩からショウジクボの頭に至るバリエーションルートを行って来ました。矢岳以来、夏に低山を登るもんじゃないと思い避けていましたが、この所の天候不順で遠くの山へ行く気がしません。折角時間を掛けて行っても眺望が得られないんではがっかりですから。この道の存在は以前から知っていたのですが、最近になって三十三尋ノ滝を知り、合わせて行ってみる事にしました。下山路は、こちらもいつか歩きたいと思っていたウノタワからです。


JFEミネラル

6:36 昨年3月の大持山と同じく、大場戸橋からのスタートです。JFEミネラルまで車道を行くのも同じです。そこから鳥首峠分岐を通過し、工場の前を通って道路の突き当りまで行きます。

登山口

7:00 工場前を通過すると突き当たりはすぐです。バーで進入を規制している所に小さな橋が架かっていて、対岸に「三十三尋ノ滝入口」の看板が見えます。ここが滝への入口であり、且つショウジクボの頭への登山口です。

ネットで見た数年前の写真には、指導標が道中に幾つか写っていましたが、今回行ってみると一切有りませんでした。行く場合は自分で充分下調べした方が良いです。

踏み跡

写真が小さくて分かり難いですが、橋を渡ると前方やや左方向にこれから登るべき尾根筋が見えます。しかし、傾斜がきつくて直接そちらには行けそうもありません。道らしきものはどこにも見当たらず、一見するとここで突き当たりの様に思えます。でも、良く見れば右方向に薄い踏み跡を発見出来ます。橋の上流に在る堰堤に向かって微かな踏み跡が続いていました。

 

堰堤横の幾らか登り易そうな斜面で高さを稼ぎ、そこから折り返して尾根に取り付く事になっている様です。途中まですんなり踏み跡を追えたんですが、年間に何人通るかと言う様な道なので、その後見失ってしまいました。

 

向かう方向は分かっているので適当に斜行して尾根に取り付いたんですが、高さが稼ぎきれてなかったらしく、岩壁に行き当たってしまいました。戻るのも面倒なのでそのまま登りましたが、脆い岩なので掴んだ所がボロッと取れてしまう事が多く、頼れるのは木の根だけです。

分岐

7:22 何とか登り切って少し進むと、下調べで訪れたページの写真と同じ分岐でした。もっと奥地に在るのかと思っていましたが近いです。時間こそ22分も掛かってますが、樹間に工場の白い壁が見える距離です。

直進すれば滝に寄らず直接ショウジクボの頭です。滝方向の踏み跡は更に薄くなり、もう追う事は困難で歩き易そうな所を適当に進むしかありません。

ゴーロ地帯

何となく踏み跡が有る様な、無い様な所を緩やかに下ると、沢筋のゴーロ地帯に出ました。滝の下流ですが、この辺りでは再び伏流水になっているらしく、水の流れはありません。1番歩き易そうなのは沢の中央なので、そのまま涸れ沢を詰める事にしました。

小滝

滝まであと少しという所で小滝に倒木が絡み、進路を塞がれてしまいました。ただでさえ登るのに難儀しそうな大きな石に、こう木が絡み付いてしまっては登る気さえ起きません。左岸のガレた斜面に逃げ、ガラガラと小石を崩しながら何とか高巻いて通過しました。

三十三尋ノ滝

7:34 到着しました。これが三十三尋ノ滝です。Google電卓機能によると、三十三尋=60.3504mだそうですが、そんなに大きくはありません。でも、想像してていたよりも大きな滝でした。落差20mと紹介されていましたが、もっとあるんじゃないでしょうか。私は高い所が苦手なので高さには敏感なんです。以前、川苔谷の百尋ノ滝も30mでは足らないと感じましたが、正しくは41mだそうです。(面倒なので修正してませんが)

倒木が真ん中に横たわって邪魔なんですが、どうにも出来ません。邪魔物を無くすには滝壺まで行くしかないです。カメラを替えてしまったので超広角レンズが使えず、全体を写すにはこの位置から撮るしかありません。

三十三尋ノ滝2

滝壺から見上げると益々高さを感じますが、水量が足らず迫力に欠けます。暫く雨続きだったんで、これでも多い方だったんでしょうね。

岩壁に沿って続く棚状

7:52 滝の左岸をトラバースして元の尾根に戻れます。踏み跡ありとの事でしたが、全く踏み固められておらず軟らかい地面でした。予め知っていないと踏み跡には見えないんじゃないでしょうか。

岩壁に沿って続く棚状を登って行きます。進むほどに狭く、右斜面は角度を増して落ちていくので緊張します。尾根道まで10分弱でした。

露岩

尾根道には時々この様に突き出た岩が在りましたが、左を巻くここは足元がが垂直に切れ落ちていて怖いです。右には岩が迫っているので、幅広の荷物を背負った人は振られない様に気を付けて下さい。転落したら恐らく滝の辺りまで転げ落ちます。

岩を過ぎた所で折り返し、尾根上に戻るんですが、直進して尾根を外れて行く踏み跡が在り、そちらに引き込まれそうになりました。地形図を見る限り滝の上流に出るだけの筈ですから、恐らく沢遡行の人が滝を巻く為に付けた踏み跡でしょう。

標高1000m前後

この日は時々晴れ間がのぞくものの、低い雲が垂れ込めスッキリしない天気でした。この辺りは標高1000m前後だと思うんですが、早くも雲に突入した様です。

ショウジクボの頭

9:08 ショウジクボの頭に到着しました。遅い!! 滝に寄った分を30分として計算しても、1時間40分も掛かっています。距離だけ見ると考えられない時間です。確かになー、キツい所が多くて頻繁に休憩してマシタ。(汗

山頂側の入口には古いながらも標柱が立ち、白岩を指し示していました。まだ生きた道なんでしょうか。植林地などの比較的勾配の緩い所では固く締まってましたが、その他は積もった落ち葉が土に返った様な地面でした。本当に通る人は稀だと思います。1本尾根の単純な地形で迷う様な所は無かったと思いますが、念のため初めは登りで使った方が良いかも知れません。

パノラマ1
パノラマ2

南面は大規模な伐採地でした。矢岳に登った時の篠戸山より、更に規模が大きそうです。現在も進行中の様で、登山路近くに簡易索道のワイヤーが通っていました。出来る事ならこのまま植林せず、二次林にして欲しいものです。10分ほど休憩して滝入ノ頭へ向かいました。


滝入ノ頭

9:24 滝入ノ頭(1070.9m)までほんの5〜6分です。ここは三角点峰であり、有間山の中で三角点が有るのはここと主峰のタタラの頭だけです。分県登山ガイドに倣い滝入ノ頭は「たきいりのあたま」と読んでます。

尾根を挟んでこちらも伐採地になっています。やがて一繋がりになり、超巨大な伐採地になるのでしょう。

滝入ノ頭からの眺望

開始時からカメラの調子が悪く、時折バッテリーを認識しない症状が出ていましたが、ここで悪化してしまいました。インフォリチウムというやつなんですが、接触が悪いらしく、「対応したバッテリーをお使い下さい」的なメッセージが出て撮影出来ないんです。脱着を繰り返していると突然撮影出来る様になるんですが、ここでは延々30分繰り返してもダメでした。10:01 撮影を諦め出発する事にしました。

鳥首峠

10:25 鳥首峠です。カメラの方は相変わらずなんですが、ここではたまたま撮影出来ました。10回位脱着してだめなら、そこでの撮影は諦め、先に進んでいます。

伐採地の終わりで作業道が左に下っていて、鳥首峠方向の道より広く立派なんで間違えそうです。先の理由で写真は有りませんが、指導標が立っていたんで見落とさない様注意が必要です。

自然林

鉄塔を過ぎ、急登が終わると自然林の平坦路です。前回同様、やはりここが1番良い雰囲気でした。この日の関東平野は真夏日だった様ですが、雲の中はひんやり心地良い気温です。

ウノタワの大ブナ

ウノタワの大ブナです。幹周は3〜4mと言った所ですが、存在感あります。

ウノタワ

11:14 この窪みがウノタワです。池だったと言う伝説が残りますが、確かにそんな気にさせます。木が窪みを避ける様に生えていますから。

ここで昼食にしようと思っていたんですが、ハエが多いので止めました。この時期は殺虫剤を持参しないと、ここでの食事は無理です。10分ほど休憩して下山に移りました。

下山路

下山路が見付からず少々探しましたが、分かり難いのは入口だけで、その後は明確な道が続いていました。少し奥まった所に指導標とウノタワの伝説が書かれた案内板が立っています。

自然林の中を縫って進みますが、天候の為か、北斜面の為か、薄暗い感じがしました。終始砂や小石が浮いたザレ道で、いつズルッとくるか分からず気が抜けません。余り良い印象の残らない道でした。

ナギノ入の源頭

11:58 沢に出ました。ナギノ入の源頭です。古い倒木の下から唐突に始まってますが、いきなりそこそこの水量です。(下写真)雨どい用のビニールパイプから勢い良く水が出ていました。登山地図に水場マークが無いので飲用に使えるのかは分かりません。

この道で休憩するならここ位しか無いのですが、ヤブ蚊が多くて休んでられません。出発前に付けた虫除けスプレーは汗で流れ落ちてしまった様です。ここからは流れに沿って下って行きます。

堰堤

12:09 堰堤手前で木橋を渡るとすぐに横倉林道です。ここから先は長々と舗装路を歩かなければなりません。結局ここまで昼食が摂れなかったので、Uターン用に広くなった林道終点でマットを広げ、昼食休憩にしました。

12:52まで休憩し、駐車場に着いたのは13:33です。

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