2011年11月下旬、戸倉三山に登りました。戸倉三山とは、臼杵山(うすきやま)、市道山(いちみちやま)、刈寄山(かりよせやま)を指します。先日登った浅間嶺からも非常に近く、浅間尾根はこの山に突き当たって終わっています。五日市駅から近いにも拘らず不思議と登山者は少なく、静かな山歩きが楽しめる所です。
7:54 荷田子峠(にたごとうげ)の盆堀林道側登山口から始めました。前川橋近くの馬頭観音裏から登って行きます。対面路肩に3台分位の駐車スペース有り。
登山道はいきなり急登で始まります。階段状にパイプが刺さっているのでそれに足を掛けながら登って行きますが、無ければ滑って登れない程の角度です。
すぐ先で分岐していました。この時は別の登山口からの道だと思っていたのですが、改めてGPSログを見てみると地形図の道より大分手前で稜線に出ています。もしかしたら、左へ行くともっと緩い登りで荷田子峠に着くのかも知れません。
8分ほどの登りで稜線に出ました。すぐ手前で巻き道が分岐してましたが、こちらを選んで正解でした。凄く眺めが良いです。荷田子集落の家並みが眼下に見えます。
8:16 荷田子峠です。峠より随分手前で稜線に出ていました。右に荷田子への道が下っています。
8:39 石祠と石柱が有りました。石柱には「戸倉山茱萸御前」と彫られてます。この先のピークが茱萸ノ木山(ぐみのきやま 656m)ですが、道は巻いていて踏み跡も無かったので寄ってません。3段上の写真に写っている奥の山が茱萸ノ木山です。
9:27 巻き道に入らなければ臼杵山の北峰に登り着きます。臼杵とは男女を表すそうで、この山が双耳峰である事を物語っています。ですから、南北両方登ってこその臼杵山です。この辺りは間隔を広く取って間伐され、明るく眺めも良いです。
右に30mほど行くと臼杵神社が在ります。狐の像が有るので稲荷神社かと思ったら、祭神は伊邪那伎・伊邪那美の両神らしいです。大岳山のと似た古い狛オオカミも有りました。
9:34 南へ200m位で臼杵山頂です。登山口に2時間とあったので、三山縦走したら終わりは何時になるのかと心配しましたが、幾らか多目に表示しているみたいです。
五日市方向が伐採されて眺めが良いです。奥武蔵の山から関東平野を眺める景色に似ています。同じ様に山地の末端ですからね。
この写真を撮っている時、中央2本の木の間に強く光を反射する建物が見えました。方向を調べたら西武ドームの様です。別の写真では日和田山・高指山・物見山が確認出来ました。意外な近さに驚きです。
9:58 臼杵山から南東方向に伸びていた道が石津窪山(749m)でぐいっと南に折れます。この辺りではスズタケが目立ちました。
10:37 市道山に到着。指導標には80分となっていましたが、1時間で着きました。やはり多目の時間設定です。
山では腹が減るのが早いので、狭山P.Aにて購入したオニギリを1つ食べました。うまい! コンビニのより数段上です。10:49 出発。ここから刈寄山までは時間表示ではなく距離でした。臼杵山の2.3kmに対し、刈寄山は5.1km。倍以上です。
吊尾根を右に分け、そのすぐ先の小さな瘤が市歩地山(いっぽちやま)という事でした。説明通りならここになりますが、何も表示されていないので自信無しです。
暫く進むと伐採地になりました。皆がどう感じるか分かりませんが、個人的には植樹林が伐採されても痛む心は持ち合わせていません。むしろ眺めが良くなるので歓迎です。自然林だと話は変わりますが。
11:17 幾つも続く小ピークを越えていくと、途中で石杭の埋まったピークが在りました。念のため写真を撮っておいたのですが、通過時刻を見るとここが栗ノ木沢ノ頭(724m)だった様です。この後、峰見通り最後の弾左衛門ノ峰(669m)は巻き道を行きました。
12:07 猪畑尾根に入り、北沢峠(旧入山峠)を過ぎて暫くすると、尾根が林道でブッツリ切られています。ここが現在の入山峠で、この林道は登山口に車を止めたあの盆掘林道です。階段で林道に降り立つと丁度頃合いだったので、昼食休憩にしました。
13:00 出発。休憩中にやって来た登山者は1人だけでしたが、峠を通過する自転車(ロード)は4〜5人居ました。
1〜2分後には今熊山への道を分けます。刈寄山までは0.5kmとなっていました。ネットで三山縦走の記事を見ていると、今熊山に下山するケースが最も多い様です。
分岐した先に山火事跡が在りました。調べたら今年の4月の出来事でした。
山頂手前で再び分岐です。右は沢戸橋・五日市となっています。
13:11 刈寄山に着きました。ちょっと頑張ればここで昼食休憩に出来たんですが、結果としては入山峠にして良かったです。近くの東屋でオッサン3〜4人が酒盛りをしてました。騒がしくて落ち着きません。
公的にはここで突き当たりですが、奥に2本の作業道が伸びてます。篠八窪尾根へ下るつもりだったので、そちらに踏み込みました。
地形図を読み間違えて初めは左の踏み跡に入ってしまいました。篠八窪尾根に下るなら右です。すぐに気付いたので8分ほどのロスで済みました。篠八窪尾根は山頂からでなく、少し下った所から派生してます。左に注意しながら作業道を下り、派生点を見付けたらそちらに移ります。
採石場に近付くとトラロープの張られた柵が有りました。それに沿って踏み跡が続いている様でしたので、危険な所が在るのではないかと思い、その通りに進みました。
13:36 採石場を見下ろす所に飛び出しました。気が付けば尾根の中心から少し東に外れ、柵は右の急斜面を下って続いています。但し、踏み跡はここで消えていました。採石場は尾根を完全に切り崩し、西に貫通しています。これは事前に分かっていた事で、一旦採石場に下り立ち、向こう側を登るつもりでした。ネットでそれを実際に実行し、篠八窪尾根を下った記事を見付けたからです。
採石場に下り立つには柵を越えて直接下るか、柵に沿って右斜面を下り、下から回り込むかの2つに1つです。どれほどの角度で尾根が切られているのか分からないので、この時は比較的安全に思えた右斜面を下りました。
この採石場は石灰を採り尽くし、もう何年も操業を停止している筈でした。ところがこの日、何故か東の外れで重機が動き、何か地均しをしていました。困りました。これでは採石場に立ち入れません。いい年をして叱られたくないですから。仕方なく途中まで下った作業道の続きを下ろうと、藪漕ぎをして隣尾根に移りました。
左の写真は臼杵山から見た採石場です。上部に掲載の写真から切り出しました。こうして見ると、石立ノ頭側は兎も角、刈寄山側は歩けない角度ではないですね。石立ノ頭側も切断面は無理でしょうが、2つ上の写真を見る限り縁に沿って登れば何とかなりそうです。柵を越えて行けば良かったと今でも後悔してます。
14:30 作業道は刈寄沢まで下り、刈寄山手前で分岐した道に合流しました。更に進むと僅かな距離で刈寄林道に変わります。舗装路に出たら右へ行くと沢戸橋です。左は採石場です。
諦め切れずに林道を下っていると、みなと区民の森で山道が分岐していて、赤松峠と書かれた指導標が立っていました。赤松峠がどこなのか分からなかったですが、確実に石立ノ頭の方へ登っています。このまま林道を下ると1時間以上の舗装路歩きになってしまいますから、咄嗟にそちらへ入ってしまいました。
奥に進むほど急な登りになります。暫く使われていない様な道でしたが、それも登って行くうちに納得しました。階段は方々で崩れ、代わりにロープが下がっている様な道です。体験の森みたいな所でしょうが、慣れていない人にはキツ過ぎます。
15:05 尾根に乗り上げると赤松峠でした。みなと区民の森はここまでですが、道は緩む気配も無く更に上へ続いています。とうとう15時を回ってしまったので、ここでどうするべきか考えました。あと1時間もすれば薄暗くなり始めます。知らない山でそれはあまりに危険です。これ以上は無理と判断し、尾根道を下る事にしました。この尾根を西に越えて下れば舗装区間は大幅にカット出来ます。
GPSログを見て頂ければ分かる通り、あと一踏ん張りすれば石立ノ頭でした。今見返せば確かにその通りなんですが、この時は夕暮れ迫る中、とてもそんな余裕は有りませんでした。
急下りの尾根道を進み、軽く登り返すとモミの木峠でした。東面が伐採されて明るく眺めが良いです。これはこれでアリな道ですね。伐採地はこの先のタカ見峠まで続いています。
みなと区民の森はこのタカ見峠で終わりの様です。道は右に折れ、下に見える円錐形のピーク(展望台)を経て刈寄林道に下ってますが、そちらに行ったのでは何にもなりません。直進方向にも荒れ気味ですが道は続いていました。
15:28 p404手前の鞍部です。この先に送電線鉄塔が在り、右から巡視路が登って来てました。それは想定外でしたが、地形図を見てここには絶対乗っ越す道が在る筈だと思っていました。
予想通り左にも細い道が下っていました。奥武蔵でもそうですが、古くから生活に密着した山ではこうした道が縦横に走っているものです。
道は荒れていて藪が煩い所も有りますが、はっきり認識出来て迷う事は有りません。暫く進むと三つ又の細い沢に出ました。本来は橋が架かっていたんだと思いますが、今は突き当たり状態です。対岸に続く道が見られないので沢身に下り、数m進むと再び道が現れました。その後は石立ノ頭から北に下る道と合流し、少し広くなった道を下りました。
15:46 行き止まりの舗装路に飛び出し、そのまま100m位進むと宮前橋でした。盆堀林道です。後は駐車した登山口まで1本道です。
16:00 下りて来る予定だった前川橋から対岸を見ています。橋を渡って道がどう下っているのか様子見しましたが、よく分かりませんでした。