2011年6月中旬、天気予報が晴れだったので予てより計画していたコースへ行って来ました。雁坂嶺や三宝山の項でお伝えした雁坂嶺から木賊山までの縦走です。甲武信ヶ岳まで含めると12時間コースなので今の時期を措いて他に無く、満を持しての実行です。しかし、とうとう最後まで日が差す事は無く、終日曇り空でした。
5:18 道の駅みとみに駐車して出発です。ループ橋下に西沢渓谷の駐車場も在りますが、こちらの方がトイレも有るので便利でしょう。
向かいの笛吹小屋キャンプ場角を曲がり、久渡(くど)の沢釣り場の方へ行きます。逆回りだと戸渡尾根の登りが大変な為に30分ほどコースタイムが延びる様なので、雁坂峠から始める事にしました。指導標が要所に設置されているので迷う事は無いでしょう。
10分足らずで登山口に着きました。一応ここが登山口なのですが、実際はもっと先の沓切(くつきり)沢橋と考えた方が良いです。ここの登りは細い歩行者道ですが上段の道路へ移動する為であり、短い区間で終わってしまいます。
10分ほどで再び舗装路に出たら、広瀬トンネルの通る尾根を回り込む様にして越えます。写真は雁坂トンネルの料金所ですが、ゲートのこちら側左右に駐車場が在り、雁坂峠を往復する様なコースでしたらここに止めた方が25分短縮できます。右側の駐車場外周を回る様にして道路が続き、雁坂トンネル出口の上を登って行きます。
6:15 道の駅から約1時間でようやく沓切沢橋に着きました。舗装路はここまでです。橋を渡ると一旦右に曲がりますが、すぐに折り返して写真正面の斜面を登り、左側を流れる久渡沢沿いの道になって行きます。
5分ほどの小休止をして出発しました。大きな倒木が道を塞いでいましたが、脇にギリギリ通れるスペースが有り何とか通過できました。
6:45 二股の沢出会いは右の沢を渡渉し、左の沢(峠沢)に移ります。
この道は度々トレイルランレースに使われている様で、ペンキの白○や赤⇔が所々に書き入れられ迷う心配が有りません。中には甲府から川越までなんてキ○ガイ…もとい、鉄人レースも有り、出場者の体力には驚かされるばかりです。
少し進んでからこの頼りない橋を渡って右岸に移ります。
7:13 この直線路が見えたら沢沿い区間は終わりです。直線部の最後で折り返し、斜面を登る道に変わって行きました。この先で1度沢を越えますが、それは峠沢ではなく支流の井戸沢です。
高度が上がるにつれ木が疎らになり、下には笹が目立ち始めました。雲に入ってしまった様でガスのため視界は50m位です。見上げても峠がどこなのか全く分かりません。
8:25 雁坂峠に到着です。沢を離れてからの登りはとにかく大変でした。地形図を見ると、400m分以上の等高線がぎゅっと詰まった斜面をひたすら登っています。
そろそろ気温が上がってきても良い頃ですが、全くそんな様子がありません。吐く息が白いです。ベンチだと冷たい風か吹き付けるので木陰で休憩しました。おにぎり1個をほおばりエネルギー補給。8:46 出発。
9:18 雁坂嶺に到着。この前より3分縮めましたが、それでも案内図のコースタイムに2分遅れています。少し厳しすぎる時間設定ではないでしょうか。他の区間はやや早く着く位なのに、ここだけどうしてもオーバーしてしまいます。
9時を過ぎても全く気温が上がりません。この日は夏山用の長袖シャツにウインドブレーカーを羽織っていましたが、動いていないと震えてくるほどです。
山頂に立つ指導標には北東方向に「孫四郎峠通行止」とありました。かつての秩父往還道はここを通っていたのです。廃道になって何十年も経つのですから、通行止ならわざわざ指導標なんか付けなければ良いのに。これが有る為かは分かりませんが、踏み跡が続いている様に見えます。
9:30 出発。
破風山では度々南側の視界が開け、晴れていれば良い景色だったろうと思います。
10:13 東破風山(2260m)に到着。ここに立つ標識類は埼玉県の物だけでした。山梨では単なる尾根上のピークと捉えている様です。
10:46 破風山(西破風山)です。山梨百名山の標柱に破風山、埼玉県の標柱に西破風山、同じく埼玉県の指導標柱に破不山となっています。破風山が1番かっこいいかな。10:57 出発。
1分ほど下った所にまた指導標が立っていました。北に「破不山歩道通行止」となっています。そう言えば柳小屋に下る道が昔在ったとどこかで読んだ覚えが有ります。多分これの事でしょう。ここも踏み跡が続いている様に見えますね。
破風山の下りは岩場で、重なった岩が階段状になり歩き難い所です。しかし、辺りはハイマツなどの低木ばかりで遮る物が有りません。ここは晴れていたら絶対眺めが良い筈です。予報は晴れだったんですが残念です。
この辺りで3人それぞれ単独行者にすれちがいました。逆回りか毛木平から抜けてきたのでしょう。小屋泊にしては遅い時間ですから。
道の両側に石楠花が咲いていました。今が1番見頃です。
11:27 笹平です。霧の中に破風山避難小屋が見えて来ました。まだ新しそうな小屋です。
造りは白泰山避難小屋とそっくりでした。鉄製の窓も同じで、戸を閉めると真っ暗になります。ここで昼食休憩にしました。
中にはレトロチックなダルマストーブが置いてありました。奥多摩などではストーブは撤去されましたが、この辺りの寒さは格別なのでしょうか。
12:18 出発。始めはこの様になだらかな登りですが、どんどんきつくなって行きます。深く抉れた所が多く、雨が降ったら恐らく水が流れるんでしょう。川床みたいにガレて歩き難いです。
12:50 岩が林立する所に出ました。地面は砂礫です。ここがサイノ河原でしょうか。ガスっているので余計幻想的に見えます。
13:15 巻き道分岐に着きました。ここを右に行くと甲武信小屋です。しばし休憩してこの先をどうするか検討しなければなりません。甲武信ヶ岳まで往復1時間ちょっと。時間的には充分可能です。しかし、この天候で行く意味はあるのか?
結局この前甲武信には登っているので今回はパスしました。このまま直進して木賊(とくさ)山へ行きます。
戸渡尾根分岐を一旦見送り、山頂まで往復します。途中の鶏冠尾根分岐にも通行止の指導標が立っていました。しかし、鶏冠山が山梨百名山に選出されたため近年は登る人も多く、以前ほど難しい山ではないそうです。
13:32 木賊山です。山頂中央に大きな三角点が陣取り、狭い山頂が余計狭く感じました。考えてみたら、かつての三方山で三角点が無いのは百名山に選ばれた甲武信ヶ岳だけなんですね。取り敢えずこれで三方山完全制覇ですから、今日のところはこれで満足です。
13:48 下山開始。
13:52 先程見送った戸渡尾根を下って行きます。
何かかっこいい木が有りました。シラビソばかりの中、異彩を放っています。樹皮が白いですが、やっぱり白樺なんですかねぇ。蔦の巻き付いた跡で幹が捻れた様になっていて、よく分かりません。
更に下るとサイノ河原に似た雰囲気の所に出ました。ここも見晴らしが良さそうな所です。
急下りの上に足元が悪いので大変です。ガレはまだしも、霧で濡れた木の根は驚くほど滑ります。転ぶ事は無かったですが危ない場面は何度も有りました。
1300mほぼ下りっ放しですから覚悟していましたが、想像以上に長いです。20〜30分毎にGPSで現在地を確認しては先の長さにため息…登りだったらと思うとゾッとします。
今回からヤマナビ2を使い始めました(↓ 写真)。ガーミンみたいな本格的な物はいらないという人にオススメです。不満な点は多々有りますが、画面が大きいのが魅力です。
最大の欠点はバッテリーの持続時間が短い事です。通常使用で約3時間、スリープ状態にしてログデータの記録だけだと約5時間です。予備バッテリーが1つ付属するのでロガーとして利用するなら約10時間使えますが、今回の様な長時間の山行では足りません。終盤の軌跡はポイントを自分で打ち込みました。
こちらの道でも石楠花が咲いてました。時々現れる平坦地ばかりで咲いていた様に思います。急斜面だと育たないのかも知れません。
15:15 地形図のp1869地点で道が分岐しています。左がここ迄下って来た近丸新道の続きで、右が新たに造られた徳ちゃん新道です。この徳ちゃん新道は甲武信小屋の主人が独自に開拓したルートだとか。ここで長目の休憩を取りました。
地形図だと、近丸新道はここから先の(比高)500mは今まで以上に等高線が詰まり、ヌク沢に出てから200mを長い距離で下っています。一方の徳ちゃん新道は一定した下りです。
15:34 徳ちゃん新道を下る事にしました。ここまでに比べれば等高線の間隔は開いてますし、何と言っても沢道より尾根道の方が好きなんです。
近丸新道の方は歩いていないんで比べられませんが、徳ちゃん新道は快適な道でした。ストレスを感じないまま気が付けば400m下った尾根の切り替え位置に着き、進んだ距離に自分でもびっくりです。
16:55 西沢渓谷の周遊路に着きました。閉鎖中の西沢山荘の横です。一応ここにトイレが有りますが、少し我慢すればこの先にもっと綺麗なトイレが有ります。
17:29 道の駅に着きました。空腹に耐え兼ねて食事をしようと思ったんですが、閉まっていました。5時で終わりみたいです。(T_T)