ツツジ山

ツツジ山(879.1m)

ツツジ山登山図

2011年12月中旬、正丸駅から伊豆ヶ岳経由でツツジ山に向かい、南に伸びる尾根で戻るコースを行って来ました。川越山や旧正丸峠を通過する往路は以前から興味の有る道でしたが、正丸峠や刈場坂峠は車で何度も訪れており、虚空蔵峠も車で数回通過してましたのでなかなかモチベーションが上がらず実行に至っておりませんでした。しかし、この辺りの山もそろそろ登り尽くした感があり、いよいよ避けて通れない状況になりましたので、今回は思い切って行ってみる事にしました。


正丸駅から大蔵山集落へ

正丸駅構内に駐車場(有料500円)が在ります。利用時間は6:30〜21:00迄ですが、登山目的なら充分な時間です。売店が開いている時ならそちらに料金を払います。今回は時刻が早かったので開いておらず、駅員に払いました。

7:51 出発。南側の階段からトンネルを潜り大蔵山集落に向かいます。日高辺りでは車の外気温表示が0℃でしたが、この辺りでは-3℃まで下がりました。寒いです。

馬頭尊の分岐

8:10 大蔵山集落を抜けかかり、家が疎らになってくると馬頭尊の分岐です。正丸峠に向かうなら道なりですが、伊豆ヶ岳へ寄るつもりだったので左に折れます。伊豆ヶ岳も度々訪れていますが、今回はずっと心残りだった男坂を登るつもりです。

実谷のふたまた

8:17 地形図に無い分岐が在りました。指導標に「実谷のふたまた」と現地名が書き入れてあります。右は「名栗げんきプラザ」となっているので、長岩峠に向かっているのでしょう。直進して行きます。

休んでけ岩

8:29 尖った岩の下に「胸突き八丁休んでけ岩」と書かれた札が下がってます。そう言われても出発からまだ1時間も経っておらず、休憩が必要な状態ではありません。不審に思いながらここは通過しましたが、この後大変な登りが待ち受けていました。少しでも息が上がっていたらここで一息入れるのが賢明です。

五輪山から東に伸びる尾根

8:36 五輪山から東に伸びる尾根に対し、北から直登する感じの厳しい登りでした。そんなに長くないのが救いです。尾根に乗り上げたら右へ。左はロープが渡してあり、進入を規制しています。

本日初の好展望

ちょっとした岩場に出ると視界が開けました。本日初の好展望です。

これから向かう正丸山と川越山が重なって見えます。遥か遠くには刈場坂峠の別荘地が光を反射しています。ううむ、あんな所まで歩かねばならないのか。思ったより遠いです。

甲仁田山の右には榛名山まで見えました。相馬山と二ツ岳です。

男坂・女坂の分岐

8:55 男坂・女坂の分岐に着くと、二人組の先行者が男坂を登っている最中でした。石を落とされたら敵わないのでベンチに腰掛け暫し行方を見送ります。

そろそろ登り切るなという所でこちらもスタート。前半は鎖を必要とせず、スイスイ進みます。後半になると手を掛ける所が無くなり、鎖を使うしかなくなります。

下で人の気配がしたので振り返ると、後続者が2名ほど登り始めていました。ここで振り返ったのは失敗です。突然の恐怖に襲われました。意外に高度感が有り怖いです。二子山や両神山の八丁尾根で慣れているとは言え、体が竦みます。それでもペースを乱す事無く登れたのは先の2座を登っていたお陰でしょう。

伊豆ヶ岳

9:14 1年半振りの伊豆ヶ岳です。相変わらずの人気で人が多い。恐らく奥武蔵で1番登られているのはこの山でしょう。

女坂迂回路

9:30 一休みしたら下山開始です。先程味わった恐怖から、もう男坂を下る気になりません。女坂を使います。女坂は崩壊が有ったとかで道が付け替えられていました。思えば昨年7月に来た時も花桐へのルートが塞がれていて不思議に思いましたが、女坂への迂回路がこちらにあるので迷い込み防止の為だった様です。

長岩峠

9:46 長岩峠です。右から来る道は多分登りで分かれた「実谷のふたまた」からの道です。左は初めて伊豆ヶ岳に登った時に使った道で、ツガの木台を経て名栗げんきプラザに通じています。

小高山

長岩峠から一登りで小高山です。山と言うより尾根上の単なる瘤という感じですね。

正丸峠

10:03 正丸峠に着きました。久し振りなので懐かしいですが、何度も来ているので通過します。階段を登って正丸山へ。

正丸山

10:20 正丸山に到着。冬枯れのため今の時期限定で少しの眺望が得られます。15分ほど休憩して出発。

川越山

10:41 川越山に到着。「かんぜやま」と読むらしいです。実際には正丸山から5〜6分の平坦路で着き、別の山という気がしません。離れて見るとミニ破風山と言った山容で台形に見えます。

旧正丸峠

10:48 川越山から転げる様な急坂を経て旧正丸峠です。見事なまでの凹地形で、本当に自然地形なのかと疑う程です。乗っ越すのは江戸への搬送ルートとして栄えた絹の道ですが、そこに往時の姿は無く、秩父側などは辿るのも難しいほど荒れ果てていました。

サッキョ峠近辺

737m峰の登りに差し掛かる手前で細尾根を渡ります。この辺りがサッキョ峠で標識が有る筈でしたが、見落としてしまいました。現在は分岐のない峠です。正丸トンネル(国道299号線)の丁度真上にも当たります。

常に冷たい風が吹き付けていますが、この先で風の来ない陽だまりを見つけ昼食休憩にしました。虚空蔵峠まで15分の所でしたが、そこも暖かいとは限らないので。

虚空蔵峠

12:14 虚空蔵峠です。東屋が在り風も届きません。こっちで休めば良かったかも。

踏み跡分岐

舗装路を300m位行くと踏み跡が分かれるのですが、ボーッとして通り過ぎてしまいました。そのまま舗装路を行っても刈場坂峠に着くので間違いではありません。私の場合は舗装路を歩くのが嫌いなので出来るだけ山道を行きます。指導標の裏側から登って行きます。

牛立久保

暫く踏み跡を辿ると広くなだらかな窪地に出ました。牛立久保とはここの事だろうと思います。踏み跡がバラけて薄くなり、迷いそうな所も有りますが、リボンの目印や勘を頼りに何とか通過出来ました。

昭和の初めにこの辺りで「奥武蔵高原スキー場」というのが開業したそうです。しかし、10年も経たずに戦争となり、スキーを楽しむ様な世情では無くなって閉鎖となりました。この牛立久保は当時の第二ゲレンデに当たります。因みに第一ゲレンデは峠の北側で舟ノ沢の辺り、第三ゲレンデは大分離れて丸山の西だったそうです。

稜線に出たら右へ向かいます。左は大野峠です。指導標の柱に牛立久保と書かれていました。

刈場坂峠

12:48 刈場坂峠に着きました。りんどう茶屋が無くなってから3度目の来訪になりますが、未だに殺風景な姿には違和感を覚えます。ただ、相変わらず堂平山をはじめとする北の景色は素晴らしい。

ツツジ山

13:00 刈場坂峠の南東に879.1mの三角点峰が在ります。現在はここに標識が立ちツツジ山としていますが、正しくはここではなく、南へ下った831mの標高点峰を大ツツジ、その先の小突峰を小ツツジと呼び、その総称がツツジ山なんだそうです。では三角点峰は何という名なのか、と問われると答えに窮しますが、旧北川村の集落からは大ツツジの陰になり見えない山ですから、元々無名なのかも知れません。

大ツツジ

13:10 僅か10分で大ツツジに着きます。ここには何故か「小都津路山」の標識が立っていました。立てたのは奥武蔵の会という所です。都津路という表記は旧北川村の土地台帳にそういう小字が有るそうなので納得ですが、何故小都津路山なんでしょうか。その解釈について話を伺ってみたいものです。

峠ノクボ

13:32 小ツツジから急下りの後、地図に無い峠に到着。峠ノクボという所らしいです。東は北川、西は坂元を指しています。しかし、どちらも荒れていて暫く人の通った様子がありません。まあ、この先で舗装された林道が跨いでいますから仕方ないでしょう。北川〜坂元間を移動するなら私でも車と林道を利用します。

山道分岐

628m峰(コカシアゲというらしい)の取り付きでまた指導標柱を見掛けました。山道と書かれた道が分岐している様ですが、それらしい道が見当たりません。落ち葉に埋まっているのでしょうか。

三田久保峠

13:58 三田久保峠です。正丸駅と書かれた方向は多少踏まれていますが、北川の方は廃道同然でした。地図だとここで突き当たりになってますが、尾根通しに行ける所まで行ってみるつもりでしたから直進して行きます。ある程度人が通る様で踏み跡が有ります。

林道分岐

14:23 林道の通過する手前で尾根を東に外れ、カーブの北川寄りで林道に下り立つ様踏み跡が続いています。50〜60m舗装路を行き、再び尾根に乗ろうとしたら未舗装の林道が尾根に沿って分岐していました。

踏み跡分岐

すぐ先で513m峰に向け踏み跡が分岐します。ここでちょっと悪い癖が出てしまいました。林道が513m峰を巻いて再び尾根の踏み跡と合流する様な気がします。終わりが見えて気が大きくなり、こうなると林道を行かねば気が済みません。矢印の様に進むのが正しいですが、直進してしまいました。

林道分岐

林道は複雑に枝分かれして方々に分岐が在ります。常に右を選び何とか元の尾根に戻ろうと試みますが、逆に離れる一方です。後悔しましたがこうなると後の祭りです。

細尾根

15:11 林道を諦め、急な斜面を攀じ登って何とか支尾根の1つに登り着きました。地図を見ると正丸駅方向に伸びる尾根は2つ先です。尾根分岐まで逆に登るしかありません。

尾根道

何とか元尾根に戻りました。踏み跡がしっかりしていて、幾つか在る尾根分岐は地形図を見るまでもなく正しいルートが選べます。

正丸駅

15:36 金網のフェンスに突き当たると左に折れ、程なく正丸駅が見えました。階段で国道に下り立てば5分も掛からず到着です。

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