伊豆ヶ岳(850.9m)
或るwebページで東に伸びる尾根を登った登山記事を読み、興味を持ち行ってみました。詳しい事は何も書いていない、写真も無い記事で、全て想像するしかありませんでしたがピーク(以降pと略)542、p670と経由しているので主尾根を登っているのは分かります。後になってここが登山コースになっているのが分かりましたが、この時までは踏み跡もろくに無い尾根を登るのだろうと思っていたので、当然登山口も無いと思い、とにかく主尾根に取り付き易そうな場所を探しました。
後に登山口が有ると分かった琴平神社は主尾根の末端に在り、神社裏から入山するのは良くある事なので真っ先に様子を見に行きましたが、車を止める場所が無いので素通りしてしまいました。続いて向ったのがここで、300m位の短い林道です。突き当りから仕事道が続くのではないかと期待したのですが、100m位進んだ所で藪に塞がれこの先は人の通った様子が有りません。車はここに止めて行き、後は歩いて別の場所を探す事にします。7:03 スタート。
車道まで戻り、近くにあった諏訪神社に立ち寄りました。写真左はのぼりの支柱をしまう建物です。最近はのぼりを立てる神社も少ないので見掛けなくなりました。何だか懐かしい気がして記念撮影。川の対岸の竹薮にちょっと怖い雰囲気の廃屋が有りました。
3つ目の候補だった所は400〜500m奥に民家の印が有る道です。行ってみると確かに家が有りましたが、現在は誰も住んでいない様です。しかし、ここまでの道や家の周りなどは荒れている様子が無く、用具小屋みたいな建物も使われている形跡が有ります。この道の入口に2〜3軒の家が有ったので、そちらに引っ越したのかも知れません。
7:26 人が住んでなかったとは言え、他人の家の敷地を通り抜けるのであまり気分の良いものではありませんでしたが、そこから主尾根への取り付きは、下草も無く斜度も緩い登りで歩き易い場所でした。
上段小写真の所で正ルートに乗っているのですが、少しの間杉の落ち葉に埋もれた所を歩きます。この平坦な場所から登山道らしくなりますが、登山コースだと思っていない私には逆に驚きでした。家に帰ってから試しに「伊豆ヶ岳」「東尾根」で検索してみたら大変な件数がヒットし、エアリアマップにも載っている知られたコースだと分かりました。「伊豆ヶ岳」だけだと全く上位には出てこないコースです。
7:54 右がp542です。道はすぐ南を巻いています。近くにモミの大木が有ったので良い目印になるかも知れません。
木の隙間から子の山(子ノ権現)らしき山が見えました。2km位しか離れていないのに霞んで見えます。予報では正午頃の湿度は50〜60%位。この時間ではもっと高い筈です。
8:22 p670だと思いますが、自信有りません。地形が結構複雑で、地図では分からない小さな起伏が多く存在します。
今までに30座以上の山を登ってきましたが、青々と茂るスズダケの藪を見たことが有りません。どこでもご覧の様に枯死しています。丹沢では鹿による食害で大規模に枯れ、林床植生が急速に衰退したらしいですが、秩父・奥多摩地方でも同様の事が起きているのかも知れません。
前方の樹間を黒い物がスッと横切りました。熊かと思い身構えましたが、木が邪魔で良く見えません。その何者かは急斜面をゆっくり谷底の方へ下りて行き、やがて茂みの中に消えました。全身が見えた所で写真を撮りましたが、既に大分距離が離れ近視の私には正体がつかめません。カメラのモニターで拡大しても小さ過ぎて分からず、結局正体不明のまま登山を続ける事になりました。写真は等倍で切り出した物です。こうして見てやっとカモシカだった事が分かりました。
8:49 山頂に近付くとこんな露岩の細尾根が多いです。カモシカに遭遇した場所もこんな感じの所でした。この辺りでは既に山頂が見えていたと思うのですが、ここからが長い。近く見えるのになかなか辿り着きません。
9:17 山頂直下、最後の登りです。目を疑うような急斜面が待ち受けていました。ここまで来ると壁にしか見えません。両手を空けないと登れそうも無い為カメラをしまい込んだのでこの先は写真が有りませんが、最後の10m位は完全にロープへ体重を預けよじ登ります。冗談抜きでビルを登る様な感じになります。無理だと感じたら古御岳との鞍部へ向うエスケープルートが存在しますから引き返しましょう。
よく見ると東側に道が見えます。ここは4度目ですが気付きませんでした。正しいルートはここに出て来るのでしょう。
花桐へ向う道にロープが張られていました。3月に来た時は岩の方に張ってあった筈です。理由が分からないし、今日はこのルートを下りると決めていたので乗り越えて行きました。9:49 下山開始。
こちらも度が過ぎる急斜面ですね。先程のカモシカは、この時点ではまだ熊の可能性が高いと思っていて、もしあのまま谷まで下りたのだとしたら行き着くのは将しくこれから行く所です。熊鈴を取り出し装着したのは言うまでもありません。
10:09 源頭です。小写真の石の下から始まっています。この流れに沿い花桐まで下りて行きます。
こんな崩れかけた高い所も歩きますが、大部分は沢に寄り添った道です。結構荒れた道で、何より蜘蛛の巣が多くて嫌になります。
10:58 苔むした砂防堰堤が有りました。竣工プレートが見当たらないのでいつ頃の物か分かりませんが、相当古い物だとは感じ取れます。
堰堤を過ぎると僅かな距離で舗装路になり、花桐集落が間近です。花桐は落ち着いた雰囲気が有り、こんな所で静かに暮らすのも良いかなと思える場所でした。
ここが車を止めた林道の入口です。綺麗に刈られた草が集落の美観に一役買ってますね。
11:17 午前中に戻って来られました。