大仁田山

棒ノ折山(969m)/黒山(842.3m)/大仁田山(505.5m)

大仁田山登山図

2012年2月上旬、長い事食指が動かなかった大仁田山へいよいよ登る事にしました。名栗方面最後のビッグネームと言えますが、高さも行程も中途半端、中々単体では登る気になれない山です。今回はバスを併用して棒ノ折山から下る縦走にしてみました。


白髭神社

唐竹の白髭神社に車を止めて出発しました。唐竹橋バス停まで歩き、そこから名栗川橋までバス移動です。待ち時間10分ほどでバスが来ました。

湯基入

9:01 名栗川橋バス停到着。後に気付いた事ですが、カメラの時計が3分ほど進んでいました。なので到着はほぼ時刻表通りです。

身支度をし、橋を渡って湯基入(とうぎり)林道へ。今回はここから棒ノ折山に登ってみます。

登山道分岐

9:35 林道から外れ、ようやく登山道に入って行きます。以前登った白谷沢や滝ノ平尾根に比べ、大半が舗装路歩きになってしまうのでつまらないコースでした。

林道と交差

9:49 先程分かれた林道と再び交差します。途中で舗装区間が終わった様で、ここでは砂利道に変わっていました。風も無く暖かいのでここで休憩。こんな日当たりの良い所は他に無いです。

岩茸石の指導標

10:20 岩茸石で他2コースと合流します。稜線付近は雪が積もっていました。暫くそのまま進んだのですが、蹴り足が滑って上手く歩けません。平坦な所で軽アイゼンを装着しました。長い事使ってなかったので前の靴に合わせたままになっており、セッティングからやり直す事になりました。手が悴んで思う様に動かず、16分も掛かってようやく再出発です。

権次入峠

10:49 権次入峠にはベンチが有るので、ここに腰掛け緩んだ所を再調整。今はワンタッチ式のアイゼンが主流ですが、私は足が幅広の為靴に合わずベルト式を使用しています。だから本当は面倒なので出来るだけ使いたくありません。

急登

山頂に向け最後の急登です。雪の下は階段の筈ですが、完全に埋まってその形跡は見られません。結構な積雪量です。人気の山なので登山者も多く、硬く踏み固められていてアイゼン無しでは難しそうです。

11:01 山頂に到着。名栗川橋から丁度2時間でした。快晴で恵まれた天気ですが、初めて登った時に比べると透明度が若干落ちます。1番右端に写っている山はもしかすると大仁田山じゃないでしょうか。確信は無いですが、地形図に照らし合わせるとそうとしか思えないです。


棒ノ折山

11:12 下山開始。権次入峠まで戻り、黒山に向かいます。

黒山に向かう尾根

こちらの尾根もそこそこ積もっています。アイゼン装着は正解でした。

黒山

11:35 黒山に到着。岩茸石山から高水山にかけての稜線が良く見えます。棒ノ折山では座る所にも困る賑わいでしたが、こちらは静かです。頃合なので昼食休憩にしました。

棒ノ折山に比べるとこちらの雪は大分水分を含んでいます。固めのシャーベットという感じです。滑り具合も幾らかマシなので、慣れないアイゼンは外してしまいました。

12:23 休憩を終え出発。下り始めは急斜面で滑る所が多く気を使いましたが、そんなに長くは続きません。馬乗馬場(まのりばんば)からはずっと緩いアップダウンです。

馬乗馬場がどこを指すのか正確な場所は知らないのですが、776mピークなのだとしたらそこは通りません。北側を巻いてしまいます。

長久保山

12:56 青梅市の二級基準点に長久保山の山名板が添えられていました。GPSで現在地を確認すると689m標高点の次のピークです。はて? 下調べでは長久保山は689m標高点だった筈。おまけに山名板には686mとなっています。ここが本当の長久保山なんでしょうか。それとも、設置者が標高を間違えた上に場所まで間違えるという愚を犯したんでしょうか。答えは謎です。最上図の長久保山は一応ここにしておきました。

小沢峠

13:31 小沢峠に着きました。北側の小沢地区は「おざわ」ではなく「こさわ」と読みます。なので、ここの読みも「こさわとうげ」です。ベンチが有るので休憩にしました。

現在はこの下をトンネルが通っているので、生活道としての役目は終えています。私の様な登山者が利用するだけでしょう。右に行くと上成木バス停が近いので、そちらにばかり踏み跡が目立ちます。

案内図

小沢峠から写真の案内図が要所に掲げられ迷う心配が有りません。細田は大仁田山の東に位置する山上集落ですから、細田を目指せば自然と大仁田山に着きます。

それはそうと、この写真でははっきり写ってませんが右側を林道工事してました。ここは地形図の493m標高点を過ぎた所ですが、こんな何も無い所のどこをどう通すつもりなんでしょう。

久方峠

14:10 久方峠です。地形図でも道が乗っ越している所ですが、生きた道と言えるのは尾根道だけです。特に飯能側は薄い踏み跡も見られませんでした。

「ひさかたとうげ」とルビを振っている所も在りますが、某サイトによると地元では「くがた」或いは「くなた」と読むそうです。久林が「くばやし」なのだから合点が行きますね。

雲ノ峰

14:22 久方峠を越え、登り切った所が雲ノ峰です。夏の季語で入道雲の事らしいですから、本来山に付ける様な名ではないですが、素敵な響きじゃないですか。気に入ったので懲りずに山名板を用意して来ました。

標高が分からなかったので山名だけに止めましたが、ここには長久保山と同じ二級基準点が在りました。調べれば正確な値が分かるかも知れません。

それにしてもアップダウンの激しい道です。黒山から小沢峠までが1時間強だったので、単純に距離を比較して今頃は大仁田山に着いているものと小沢峠では思ってました。大きな誤算です。

大峰山

14:47 大峰山に到着。ここを下れば厳しいアップダウンは終了で、後は楽なもんです。

分岐

大仁田山は縦走する登山道から少し外れており、ここで鋭角に左へ折れて行きます。

大仁田山

14:59 分岐から僅か2分で大仁田山でした。山頂は植林に囲まれ眺望は全く得られません。この点だけでも単体で登る気になれない山です。

15:13 下山を開始します。このまま通り抜けて北の赤沢へ道が下っていますが、今回はそちらへは行きません。分岐まで戻ります。

小堂

細田集落の上部に小堂が在りました。下調べで知った地蔵かと一瞬思いましたが、様子が違います。南面が草地になっていて眺めが良いです。

いぼとり地蔵

15:32 こちらが細田集落の入口を守る地蔵です。「いぼとりじぞう」と書かれていました。赤い頭巾に赤いべべを着せられ、周囲には所狭しと千羽鶴が供えられています。山の中とは思えない佇まいです。地蔵を左に巻き込む様に鋭角に折れて行きます。尚、地形図にはここを通らない北の巻き道が書き入れられていますが、実際には存在しませんでした。

愛宕山

前方に見えるピークに道が分岐し、愛宕山との指導標が立っていました。地形図の412m標高点です。少し悩みましたが疲れているので巻き道を行きました。

四十八曲峠

15:48 尾根から外れて行く道が分岐し、指導標のその方向には四十八曲りと書かれています。四十八曲峠は現在正確な位置が不明となってしまいましたが、ここがその最有力地点です。苦しい登りを終え初めて稜線に出る所ですから、誰もがここで一息吐いた事でしょう。他にいぼとり地蔵の地点を指すという説も有ります。

四十八曲り

歴史ある道も現在は藪道に変わり果てていました。尤も、かつての四十八曲りはもっと沢寄りに在ったそうで、そう呼ぶに相応しい折り返しの連続だったそです。今は明確に折り返す所は4箇所だけです。

唐竹集落

16:04 唐竹集落の外れに下り着きました。神社まで5分も掛からない距離です。

戻る  |  成木尾根へ