鷹ノ巣山

八丁山(1280m)/お伊勢山(1338m)/鷹ノ巣山(1736.6m)

鷹ノ巣山登山図

2010年11月中旬、奥多摩三山に並ぶメジャースポット・鷹ノ巣山に登って来ました。この山は明るく広い山頂で抜群の眺めですから、晩秋から初冬辺りに登ろうとずっと計画を温めていた山でした。当初から日原の稲村岩尾根を考えていましたが、色々な登山記を読み漁るうちに八丁山を通る巳ノ戸尾根ルートを知り、登りはこれを使って帰りは稲村岩尾根で戻る周遊コースとして登る事にしました。


三ツドッケから見た鷹ノ巣山

三ツドッケから登山経路を見るとこんな感じです。


鷹ノ巣山登山1

東日原の無料駐車場を出発したのが7:31、その後登山口への道を探して少し迷いましたが、写真の通路を見付けたのが7:42でした。この入口は中日原バス停の少し先に在ります。

この辺りを地図で見ると標高がおよそ620mです。しかし、日原川を越えて行くので一旦550m位まで下り、巳の戸橋を渡って登り返す事になります。事実上標高差が1200m近くになるわけです。三峰での反省も踏まえ、この日はモモヒキみたいな長いパンツを穿き、足の冷え対策にしました。

尚、トイレは無料駐車場に有るのですが、汚いので東日原バス停のを使った方が良いです。

稲村岩

バイクに乗っていた頃にこの辺りへツーリングした事も有るので、稲村岩の存在は昔から知っていたのですが、こんなにじっくり見たのは初めてです。間近で見ると結構迫力があります。


巳の戸橋

70m近く下って巳の戸橋を渡ります。

巳ノ戸尾根への分岐

巳の戸橋を渡る辺りでは稲村岩が尾根の影になり見えませんが、再び見えてくるとすぐにこの分岐が現れます。標識も立っていますが行く方向には何も書いてません。

古い石垣

8:11 古い石垣が見えて来たら民家跡です。集落跡と紹介しているページも有りましたが、狭い敷地なので在ってもせいぜい2軒だったでしょう。

民家跡

すぐに右へ折り返す道を行きます。道は小尾根を回り込み、回り切った所で左に墓へ行く道を分けます。そのまま直進してしまうと北側の斜面へ回ってしまう様なので、墓の方へ行きます。

道は墓の所で一旦消えてしまいますが、かまわず上を目指せば途中で左から登って来る踏み跡に合流します。

伐採地

8:27 踏み跡を辿ると伐採地に出ました。はっきりとした踏み跡はここまでです。とりあえず尾根上に乗り上げてしまえば何とかなるだろうと思い、真ん中を突っ切る感じで上を目指します。

ふと見ると稲村岩の頂部が見えており、いつの間にか変わらぬ高さまで登っている事に気付きました。

鹿除けフェンス

8:42 尾根上に乗り上げると鹿除けフェンスに行き当たりました。踏み跡がフェンスに沿って続いている様でしたが、落ち葉ではっきりしません。しかし、ここまで来てしまえば進むべき方向は明らかで、尾根を外さぬよう常に高い所を目指して登るだけです。

鷹ノ巣山登山2

杉と自然林の間が1番歩き易いです。杉林の中は枯れ枝が散乱してますし、自然林の方は直線的なルートが取り難いからです。

岩稜帯

9:16 岩稜帯が見えてきました。事前の調べで在るのは分かっていて、登られた方々が「スリル満点」「怖い」「危険」と書いているので、実は登る前からかなりビビッていました。しかし、実際登ってみると、二子山を経験した者にとっては正直「はぁ?」って感じです。ハードルを上げ過ぎていたのかも知れませんが、はっきり言って拍子抜けです。帰りに登った稲村岩の方がよっぽど怖い。

岩稜帯からの眺め1

木が無いので眺めは良いです。南には鷹ノ巣山が遥か高くにそびえていました。八丁山まであと10分位ですが、山頂は木に囲まれて眺望が無いですから、ここで休憩しておくのも良いかも知れません。

岩稜帯からの眺め2

北側には馴染みのある山々が並んでいます。写真が小さいので遠く見えますが、実際には目の前といった感じです。

八丁山

9:27 八丁山々頂に到着です。手作りの山名板は大分変色していて、文字が読み難かった。

鷹ノ巣山登山3

八丁山を下った鞍部は中央が窪んでいて、二重稜線の様になっています。歩き易いのは東側で、私もそちらを選びましたが、ぐるりと回って最後は西側の稜線を登る事になります。大した距離ではないのでどちらを通っても良いのですが、知っていれば遠回りした事に腹を立てる事も無いですから一応伝えておきます。

岩の細尾根

お伊勢山までは岩の細尾根が続きます。八丁山の岩稜帯より幅が狭い分、こっちの方が緊張しますね。

どこかに似た雰囲気だと思ったら、熊倉山に似ているんですね。熊倉山では雪が積もっていたし、こんなに木も生えていなかったですから、もっと怖い思いをしましたけど。

お伊勢山

10:03 お伊勢山に到着。山頂こそこの様に土の山ですが、ここまでは殆んど岩登りです。

鞘口のクビレ

お伊勢山を下ると鞍部は鞘口のクビレです。夫婦らしき二人連れがかなり早い昼食を摂っていました。聞けば巳ノ戸林道を通って来たそうで、廃道ではないのかと尋ねると、ここまでは普通に登って来られるとの事でした。ただし、この先(右の道)へ行ってしまうとルンゼを横移動する様な道になり、非常に危ないそうです。

ヒルメシクイノタワ

10:47 稲村岩尾根ルートに合流しました。登り着いたのはヒルメシクイノタワです。鞘口のクビレから約30分、大変キツい登りでしたが、更にあと20分山頂まで辛い登りが続きます。

鷹ノ巣山登山4

ここからだと山頂がすぐそこの様に見えますが、平坦な場所を挟んでもう一登りあります。

鷹ノ巣山々頂

11:08 鷹ノ巣山々頂です。大分落葉しているとは言え、北斜面を登って来たので殆んど日陰ばかりでしたから、突然開ける景色は感動ものです。

山頂の様子

山頂は既に大勢の人で賑わっていました。この後も続々と詰め掛ける登山者の様子を見ていると、殆んどが稲村岩尾根ルートでやって来ます。奥多摩随一の急登コースだと言うのに何故でしょうか。

この時カメラのバッテリーが充電切れしてしまいました。1度充電すれば2座3座とそのままで使える為、大丈夫だと思い充電して来なかったのです。暫く放っておけば回復しますが、連続で撮影するのは無理なのでパノラマは無しです。

山頂からの富士山

富士山を眺めながら昼食休憩。ちょっとガスが多く下の方が霞んでいますが、数日前に毛無山でいやと言う程見て来たので充分です。時間が経つと汗をかいた体には、カヤトを揺らしてまともに吹き上げる風が冷たく、上着を着ていても寒くなってしまいました。タバコも吸いたくなったので山頂を離れ、日蔭名栗峰の方に少し移動して再び休憩。


山頂からの景色

40〜50m下りただけですが、ここなら木が有るので山頂よりはマシです。右奥に雲取山から芋ノ木ドッケへの稜線が見えます。和名倉山から見た時の丁度反対側なので、大ダワの所に少し見えているのは和名倉山という事になりますね。

下山開始は11:45でした。

稲村岩頂上

帰りに稲村岩へ登りました。分岐から頂上まで8分。戻る時も同じです。ここ迄5分位の休憩を1度しただけですので、ここでたっぷり休憩しました。写真は頂上の岩と、その裏側に祀られていた祠。

稲村岩からの景色

八丁山への登りで通った伐採地がポッカリ口を空けています。

巳ノ戸林道の入口

13:52 朽ちた橋が巳ノ戸林道の入口です。ロープで塞がれていますし、指標もノコギリで切り落とされていて、やっぱりどう見ても廃道ですが、踏み跡はしっかり続いていました。

稲村岩

稲村岩を真下から見上げています。ついさっきまであの上に居たかと思うと寒気がしてきます。


駐車場

14:31 駐車場に到着。稲村岩への立ち寄り時間35分を引くと、山頂からここまで2時間11分でした。

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