蔦岩山(1004m)/武川岳(1051.7m)
甲仁田山から登り始めて、二子山、焼山と進んだ所で飲み水が足りなくなり中断した前回(二子山の項参照)の続きを歩こうと、再び焼山に向かいました。下山口になったヨーガイ入を逆に辿り、蔦岩山、武川岳を巡り、そこからは飯能と横瀬の境界線に沿って下りる事にしました。
境界線近くで仕事道らしき山道を見付けました。路肩と言うよりは道路脇の小さな空き地といった感じの所から始まり、奥には間伐された木が沢山転がっています。恐らく作業用トラックを横付けする為に造ったであろう空き地ですが、他に駐車出来そうな場所も無い事だし、土曜日なので伐採作業も休むだろうと勝手に判断してここに駐車させて戴き、7:51出発。
8:04 下山後に長々と車道を歩きたくないので、駐車場所を下山口と決め、先日下って来たヨーガイ入から登り始めます。続きを歩くとした以上、逆回りではおかしいですしね。
8:26 二子山への道を分け、ゲートのチェーンを跨いでさらに林道を進みます。地図によればこの林道は焼山のすぐ南で登山道に合流している様です。
ゲートから100m位行った所で焼山沢が二又になっていて、林道は右の沢に沿い大きく曲がっています。地図にはここを直進するような形で点線が続き、左の沢に沿いにも道が有ることを示しています。休憩がてら荷物を置いて様子を見に行くと、1段高い所に道の痕跡が有りました。
1m幅位の平らな地形がずっと続いています。落石や木片が散乱して荒れていますが、どうやら元々は立派な道だったみたいです。焼山と蔦岩山の中間辺りで再び林道と合流する筈ですから、5分程の休憩後地図を広げてこの道を行ってみる事にしました。
大きな一枚岩を削り道を通しています。この左には5m位の滝が有って、道から見下ろせます。林道が通った為使われなくなったのでしょうが、このまま荒廃していくのは勿体ない道です。
やがて沢沿いを左右に渡りながら進む道になり、涸れ沢に変わった辺りで倒木と藪に塞がれてしまいました。いまさら引き返すのも面倒なので左斜面を高巻きに強行突破しましたが、再び涸れ沢に降り立ってももう道は掻き消えて踏み跡さえ見当たりません。しかし、地図上の道はこの沢を登り詰めているのでこのまま進むしかありません。
合流点が近いと感じられる所まで来ましたが、またもや倒木の塊に行く手を阻まれました。右斜面は50m位登れば尾根上に達しそうなので、ここも強引に登って一気に脱出を図ります。急斜面の上、地面が脆く崩れ易いので大変でした。
9:22 ほんの僅かな距離を10分も掛かって登り着きました。素直に林道を来ていた方が早かったんじゃないかと思いますが、涸れ沢になる前までは雰囲気の良い道だったので満足です。しかし、最後の10分は本当にキツく、暫く動けそうにないので10分休憩。
地図では林道と登山道が合流している様に書かれていましたが、実際には稜線に登山道が通り、すぐ東側を林道が並行していました。登り着いた所から僅かに南へ進むと登山道は急な登りに変わり、同時に林道は南東に針路を変え離れて行きます。林道から3〜4m登れば登山道なので何時でも行き来できるのですが、一応ここには道が通っていました。
写真では伝わらないのがもどかしい長い急坂。一睡もしていなかった為か妙に応えます。先程休憩したばかりですが、登り切った所で更に15分休憩。
下は笹が混じった草地、東側は道に沿って1列の木が並ぶだけで見晴らしが良い道です。何箇所か急な登りが有りましたが、それ以外はこんな感じで気持ちの良い山道です。出発時は晴れていたのに、気付けば雲に覆われていました。
10:15 蔦岩山(つたいわやま)です。ここには手作りの山名プレートが有った筈ですが、気付かなかったのか、無くなってしまったのか、見当たりませんでした。ここからは武川岳まで、緩く下って緩く登り返すだけです。
10:35 武川岳に到着。時間が早い為か、土曜日だと言うのに誰も居ません。休憩していると雨がポツリポツリと降ってきましたが、濡れる程ではなくすぐに止みました。10:52下山開始。
東のコースは露岩の所まで緩い下りでしたが、そこから急激に下ります。ここは名栗げんきプラザに車を止めて往復する位しか使い様が無いので、他に比べるとやや荒れ気味。
11:09 一般的な地図ではここを右に行く道しか書いてませんが、直進して見晴台と呼ばれる場所を経由する道も存在します。市町境界線は見晴台を通っているので直進して行きます。
ここを登り切ると細尾根に突き当たり、右に針路が変わります。滅多に人が通らない為でしょうが、鹿が多いらしくあちこちに表皮をかじられた木が目立ちます。
11:22 見晴台に到着。名前から展望の良い所と期待したのですが、僅かな隙間から別尾根が見えるだけでした。只の地名と考えた方が良いです。ここは地図上のピーク(以降はpと略)909の東端で、正規ルートはこのまま東の尾根を下りて行きますが、市町境界線は中央から北に派生する尾根上なので少し戻ります。
地図からは読み取れませんが、p909は30m間隔位で3つの小ピークが並び、ここはその中央に位置します。枝を置いて塞いでいますが、予想通り仕事道が伸びていました。ここならどの枝尾根に迷い込んでも林道に下り着く筈です。7分程の休憩後、11:32 ルートファインディング力を高めるべく、練習の為にここを入って行きます。
始めは露岩の細尾根を通ったりしますが、そこを過ぎればどこにでも有る様な尾根道になります。そこから先の歩き易い平坦地では必ず枯れ木が横たわり、行く手を塞いでいます。写真以外にも5〜6箇所有りました。迷い込み防止の為でしょうが、分かって入る者にとっては嫌がらせとしか映りません。
大分進んだ所で境界見出し線を示す杭が打って有りました。地形図を見ながら細心の注意を払って下りてきましたが、それでも少しの不安は有りました。これで間違っていないと確信出来、安心して進めます。登りは尾根が集約する形になるのである程度気楽なのですが、下りは逆に分散していくので難しいです。
11:59 尾根上の小ピークにアンテナが立てて有りました。近くには境界線の杭も。形を見ると地デジアンテナみたいですので、麓の集落で立てたのでしょう。人工物を見ると人里が近いと感じられホッとします。
アンテナを見て気が緩んだのか、細い踏み跡(小写真)につられてルートミスしてしまいました。再び顔を出した太陽に照らされた影が前方に出て間違いに気付きました。良く見れば行先で尾根が扇状に広がり、明らかに地形が違います。
アンテナまで戻り辺りを見回しますが、木が邪魔でどこに尾根が伸びているのか分かりません。地図で方向を判断して、勘で下りて行くと杭が見付かり一安心。木の根の下を通せなかったアンテナケーブルも、地表に出ている所が有り目印になります。
12:24 p641に着きました。東側に伐採地が有り、植林地から出ると明るいので気持ち良いです。立ち枯れした木の右に見える稜線の窪みは正丸峠です。車道が通る為に木が生えておらず、窪んで見えるのです。ここで15分休憩し、12:39再出発。
小尾根を進むと露岩の先が切れ落ちていました。どう下りれば良いか考えてしまう様な所ですが、岩の隙間から少し下り、北側を巻くようにして下りました。下から見ると大量の木が重ねられ、岩場に取り付けなくしてあります。
地形図では緩やかな下りに見えたのですが、予想外に急斜面です。木立の向こうから車の排気音が聞こえてきて、出口が近いと感じられます。
12:53 目論み通り駐車場所に下りられました。出発から5時間、まだ車を運転して帰らなければならないので、これ位が丁度良いです。